パワハラの意味について、行政書士が法的に解説

「パワハラ」という言葉は、日常用語となりました。

これは和製英語で、日本で作られた言葉です。

 

法律上に定義された言葉ではないのですが、

厚生労働省が定義を出しています。

 

【1】パワハラの定義

厚生労働省の円卓会議ワーキンググループは、パワハラを次のように定義しました。

 

《同じ職場で働く者に対して、

職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、

業務の適正な範囲を超えて、

精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為》

ポイントは4つあります。

 

【2】「同じ職場で働く者」に対するものが、パワハラ

「同じ職場で働く者に対して」なので、

厚労省の定義では、

取引先からのパワハラというのは、パワハラに含まないことになります。

 

取引先からのパワハラも大きな問題となりつつあるのですが、

厚労省としては、取扱いできないということなのでしょう。

 

【3】同僚や部下によるパワハラもある。

「職場内での人間関係の優位性を背景に」に、あればよいのです。

 

パワハラと言えば上司から部下に対するものと思われていましたが、

この定義では意図的に、そのような限定を取り除いています。

 

つまり、同僚からのパワハラ、部下から上司へのパワハラを念頭に置いて、

定義を作っています。

 

これは厚労省が運営する「明るい職場応援団」というサイトを見ても、一目瞭然です。

同僚からのパワハラ、部下から上司へのパワハラも、パワハラに該当します。

 

【3】精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為

ポイントは、「職場環境を悪化させる行為」です。

つまり、実際に精神的・身体的苦痛を与えなくても、

職場環境を悪化させる行為は、パワハラと言ってよいのです。

 

たとえば、陰口をしたり、悪口を言い触らしたりすることも、

それが他の条件を満たしているなら、

職場環境を悪化させる行為として、パワハラに該当します。

 

【4】「なんでもかんでもパワハラ」か?

こうなると、「何でもかんでもパワハラだ」と、

パワハラの範囲が広すぎると主張する人がいるのですが、

そうではありません。

 

もともと、職場内にいる人は、対等です。

陰口を叩かれたり、悪口を言われたり、

暴言を吐かれたり、叩かれたりするいわれは一切ないのです。

 

また、定義上も、

人間関係の優位性を背景にしていなければ、

つまり対等であれば、それはパワハラには該当しません。

また、適正な業務の範囲内であれば、パワハラには該当しません。

 

他の定義と合わせて考えたとき、

パワハラの範囲が広がりすぎているとは、思いません。

 

常識的に考えて、徒党を組んで悪口を言うことが、

適正な業務の範囲内になるでしょうか。

 

毎日、業務外に2時間の説教をすることが、

適正な業務の範囲内のなのでしょうか。

 

 

 

あなたが苦しいなら、

まずはパワハラではないかと疑いましょう。

そこから、定義に従ってゆっくりと判断しなおせばいい。

そして、あなた自身に改善点があるなら改善すればいい。

でも、パワハラ行為を我慢する必要はまったくないことだけは、

覚えておいてほしいなと思います。

 

 

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三國 雅洋 について

パワハラ問題解決の専門家 行政書士・プロフェッショナルコーチ・元医療法人理事 法律・心理・経済の専門知識を使って、パワハラ問題を総合解決へと導く日本唯一の専門家
カテゴリー: パワハラの定義, 法律関連, 職場いじめ・嫌がらせ・パワハラを克服する パーマリンク

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