第11章 パワハラ後遺症に対処する

パワハラ職場から脱出したとしても、それでパワハラが解決になるわけではありません。

パワハラの後遺症が出る可能性があるからです。

睡眠障害、パニック障害、対人恐怖症、うつ病などが残ったり、原因不明の胃痛、頭痛、吐き気に悩まされる人もいます。

そして、ほぼ全員に共通するのは「自信喪失」です。これは見過ごされがちですが、自信を喪失するとビクビクしやすくなり、行動力もなくなります。その結果、再就職などが難しくなることもあり、見過ごすことができないパワハラ後遺症の1つです。

【1】パワハラの後遺症が残ることがある

パワハラは、その組織から離れた後でも、後遺症が残ることがあります。たとえば、胃の痛み、めまい、頭痛などが、何年も続いている人もいるのです。

うつ病、パニック障害、対人恐怖症、適応障害、睡眠障害など医師の診断が下されるものもありますし、関連する人や場所をみると生じる胃の緊張、胃痛、めまい、頭痛などに苦しむ人もいます。

パワハラは退職、転職したとしても、完全解決とはいかないことがあるのです。

【2】自信喪失という大きな悪影響

パワハラ後遺症の中で、ほぼ全員に共通するのは「自信喪失」です。

そもそもパワハラは自己イメージ=セルフイメージへの攻撃ですから、自己イメージが下がってしまうのは当たり前のことです。自分には存在価値がない、自分は無能であると思ってしまいがちなのです。

自己イメージが下がると積極的に行動を起こすことが難しくなります。また、行動を起こしたとしても、行動を続けることが難しくなります。自己イメージが低いと失敗を恐れやすくなりますし、失敗したときに「やっぱり自分はダメ人間だ」「やっぱり自分は無能だ」と思ってしまうからです。

最終的には、現状を変えるには何かしらの行動を継続的に行う必要があるのですが、その行動をとれなくなってしまうのです。

【3】パワハラ後遺症には、自己イメージへの働きかけが必須

医師の指示に従うことは当然に大切です。

しかし、医師は自己イメージへの働きかけはしてくれません。自己イメージを高めるような働きかけはせずに、むしろあなたを「患者」の状態に留めてしまうことさえあります。

ですから、医師やカウンセラーへの通院だけでは足りません。自己イメージを高めてくれる働きかけが必要となります。

周囲の人がそのような働きかけをしてくれるのが一番ですが、難しればプロフェッショナル・コーチを雇うことも考えてみてください。コーチは、自己イメージを高める働きかけのプロフェッショナルです。

パワハラによって失った自己イメージを取り戻し、また以前より高い自己イメージ確立をしてくれるでしょう。

【4】自信を取り戻して、前に進む

パワハラ後遺症を払しょくするには、自信を取り戻して前に進むしかありません。

前に進むことでは傷は消えないかもしれませんが、少なくとも傷に悪影響は受けなくなります。古傷があることは知っていても、その傷に捕らわれることがなくなるのです。

自己イメージを高く持って、前に進んでいきましょう。そうすると自然と、パワハラ後遺症による悪影響は減り、自然と収まっていくものです。

 

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パワハラ解決の基礎知識ーはじめに(目次)
目次 はじめに 第1章 パワハラは、法律上の用語ではない 第2章 パワハラの定義 第3章 パワハラの証拠集めが必要な理由 第4章 パワハラの証拠の集め方 第5章「パワハラ解決」とは何か 第6章「目的」と「状況」によって、取るべき手段は異なる 第7章 取るべき手段を実行できない理由 第8章 パワハラは学習性無力感を生む 第9章 リスクに備える 第10章 アサーションを身に付ける 第11章 パワハラ後遺症に対処する おわりに 【はじめに】 「パワハラ解決の基礎知識」のページでは、パワハラに関する心理・法律・経済を含む、総合的な基礎知識を取り上げます。 パワー・ハラスメントは、法律上は定義されていません。そのため、パワハラに該当することによって、何かしらの法的効果が発生するわけではありません。パワハラに該当するからではなくて、他の法律要件に該当するから、法的効果が発生するに過ぎません。 法律上の定義がないため、各行政が独自にパワー・ハラスメントを定義しています。現在、パワハラの定義でもっとも有名なものは、厚生労働省の定義です。 行政が出している定義に該当することによって、何かしらの法的効果が発生するわけではありません。しかし、パワハラ解決に向けて行政を動かすには、少なくともその行政が出しているパワハラの定義に当てはまらなければなりません。 そして、行政を動かすために、パワハラ被害に遭っていることを示す証拠が必要となるのです。厚生労働省に動いてほしい場合は、厚生労働省が出すパワハラの定義に該当すると証明するものが必要となります。法務省に動いてもらいたい場合も同じです。 そこで大切となるのが、パワハラの証拠の集め方です。パワハラにはさまざまな類型がありますが、その類型によっては証拠を集めにくいものも多く、戦略的に集めていく必要があります。 しかし、そもそも証拠を集めることが必要かどうかについては、考えておく必要があるでしょう。一口に「パワハラ解決」と言っても、そこには様々なものが含まれます。もっとも理想的な解決は、加害者が退職、または異動になり、あなたに対して損害賠償をして、かつ、あなたが職場に留まることかもしれません。もしくは、ただ加害者がパワハラ行為をストップしてくれれば、それでよいと思うかもしれません。

 

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