パワハラ脱出プロジェクト|福井県敦賀市パワハラ問題解決の専門家による被害者のための総合情報提供ブログ

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第11章 パワハラ後遺症に対処する(自己肯定感の取り戻し方)

パワハラ職場から脱出したとしても、それでパワハラが解決になるわけではありません。

パワハラの後遺症が出る可能性があるからです。

睡眠障害、パニック障害、対人恐怖症、うつ病などが残ったり、原因不明の胃痛、頭痛、吐き気に悩まされる人もいます。

そして、ほぼ全員に共通するのは「自信喪失」です。これは見過ごされがちですが、自信を喪失するとビクビクしやすくなり、行動力もなくなります。その結果、再就職などが難しくなることもあり、見過ごすことができないパワハラ後遺症の1つです。

(なお、このページでいう「パワハラ」の定義は、下記のページでご説明しています。)

第1章 パワハラは、法律上の用語ではない:行政書士による法的解説
被害者は法律上、民事、刑事、行政上の責任追及が可能です。ただし、それはパワハラに該当することを理由に請求するのではありません。民事責任を追及する場合には、例えば債務不履行責任、または不法行為責任などを追及します。刑事上の責任を追及する場合には、たとえば侮辱罪、名誉棄損罪、暴行罪、傷害罪などを追及します。そして、行政上の責任追及とは、たとえば医師や歯科医師などの免許を持つ人が加害行為をした場合、その免許資格はく奪などを追及することができます。 パワー・ハラスメントは、法律上の用語ではありません。そのため、パワハラに該当するからといって、損害賠償請求ができるとは限りません。同様に、パワハラに該当することをもって、告訴・告発ができるわけでもありません。 しかし、これらの責任追及ができるのは、パワハラに該当するからではなくて、それぞれの責任追及の条件に合致するからにすぎません。別の言い方をすれば、民事、刑事、行政上の責任という法的効果を発生させるための法律要件を満たすから、責任追及ができるようになるだけです。 【1】パワハラは、法律上の定義ではない 法律上の効果を求められるのは、その法律要件を満たしている場合だけです。たとえば、セクハラは法律上は次のように定義されています。 セクシュアルハラスメントの略で、「職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否するなどの対応により解雇、降格、減給などの不利益を受けること」又は「性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に悪影響が生じること」をいいます。男女雇用機会均等法により事業者にその対策が義務付けられています。 (厚生労働省 『こころの耳』 セクハラに関してまとめたページ) セクハラについては法律上の定義がなされており、その定義に該当する行為が行われないように、また行われた場合など、事業主に対策が法律上、義務付けられています。 パワハラは、さきほども書いた通り、法律上の定義はされていません。そのため、法律上、事業主はパワハラ対策をする”直接的な法律上の義務”はありません。(安全配慮義務に基づいての、間接的な義務はあります。) 【2】パワハラに関係する、事業主の法的義務

 

【1】パワハラ後遺症に対処する

パワハラは、その組織から離れた後でも、後遺症が残ることがあります。たとえば、胃の痛み、めまい、頭痛などが、何年も続いている人もいるのです。

うつ病、パニック障害、対人恐怖症、適応障害、睡眠障害など医師の診断が下されるものもありますし、関連する人や場所をみると生じる胃の緊張、胃痛、めまい、頭痛などに苦しむ人もいます。

パワハラは退職、転職したとしても、完全解決とはいかないことがあるのです。

パワハラ後遺症にも対処する必要があります。

【2】自信喪失という大きな悪影響

パワハラ後遺症の中で、ほぼ全員に共通するのは「自信喪失」です。

そもそもパワハラは自己イメージ=セルフイメージへの攻撃ですから、自己イメージが下がってしまうのは当たり前のことです。自分には存在価値がない、自分は無能であると思ってしまいがちなのです。

自己イメージが下がると積極的に行動を起こすことが難しくなります。また、行動を起こしたとしても、行動を続けることが難しくなります。自己イメージが低いと失敗を恐れやすくなりますし、失敗したときに「やっぱり自分はダメ人間だ」「やっぱり自分は無能だ」と思ってしまうからです。

最終的には、現状を変えるには何かしらの行動を継続的に行う必要があるのですが、その行動をとれなくなってしまうのです。

【3】パワハラ後遺症には、自己イメージへの働きかけが必須

医師の指示に従うことは当然に大切です。

しかし、医師は自己イメージへの働きかけはしてくれません。自己イメージを高めるような働きかけはせずに、むしろあなたを「患者」の状態に留めてしまうことさえあります。

ですから、医師やカウンセラーへの通院だけでは足りません。自己イメージを高めてくれる働きかけが必要となります。

周囲の人がそのような働きかけをしてくれるのが一番ですが、難しればプロフェッショナル・コーチを雇うことも考えてみてください。コーチは、自己イメージを高める働きかけのプロフェッショナルです。

パワハラによって失った自己イメージを取り戻し、また以前より高い自己イメージ確立をしてくれるでしょう。

【4】自信を取り戻して、前に進む

パワハラ後遺症を払しょくするには、自信を取り戻して前に進むしかありません。

前に進むことでは傷は消えないかもしれませんが、少なくとも傷に悪影響は受けなくなります。古傷があることは知っていても、その傷に捕らわれることがなくなるのです。

自己イメージを高く持って、前に進んでいきましょう。そうすると自然と、パワハラ後遺症による悪影響は減り、自然と収まっていくものです。

【5】自信を取り戻す方法

自己肯定感を取り戻す方法にはさまざまなものがあります。特に自己効力感を取り戻す方法については、学術的には3つ紹介されています。

  1. 成功体験
  2. 観察学習(モデリング)
  3. 言語的説得

1つは成功体験を積むことです。もし成功体験を積むことが難しいときは、他者の成功体験を観察することで自己効力感が上がるようです。その観察学習が難しい場合でも、言語的説得があります。つまり、自分で自分に対して説得をするのです。

いつ、どこでも、誰でもできるのは「言語的説得」です。コーチングではこれを、セルフトークのコントロールと呼びます。心の中の声をセルフトーク(内言)と言いますが、これをコントロールするのです。

セルフトークのコントロールの基本は「自分らしい」と「自分らしくない」です。ゴール側にいる自分が「自分らしい」、そうでない自分は「自分らしくない」と評価をします。たとえば、パワハラ後遺症で動けない自分は「自分らしくない」、後遺症改善に向けて行動を起こしている自分は「自分らしい」のように心の中で評価するのです。

このセルフトークのコントロールを使いながら行動を起こし、成功をすれば「自分らしい」と評価します。そしてうまくいかなったときは「自分らしくない」と評価をします。失敗したときに「自分らしくない」と評価することがポイントです。これによって、自分に言語的説得をしながら、成功体験を積むことができます。

反対から言えば、このセルフトークのコントロールができないとなかなか成功体験を積むことは難しくなります。ですから、まずはセルフトークのコントロールを身に付けましょう。そして、セルフトークをコントロールして、どんどん成功体験を積んでいきましょう。

 

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パワハラ解決の基礎知識ーはじめに(目次)
目次 はじめに 第1章 パワハラは、法律上の用語ではない 第2章 パワハラの定義 第3章 パワハラの証拠集めが必要な理由 第4章 パワハラの証拠の集め方 第5章「パワハラ解決」とは何か 第6章「目的」と「状況」によって、取るべき手段は異なる 第7章 取るべき手段を実行できない理由 第8章 パワハラは学習性無力感を生む 第9章 リスクに備える 第10章 アサーションを身に付ける 第11章 パワハラ後遺症に対処する おわりに 【はじめに】 「パワハラ解決の基礎知識」のページでは、パワハラに関する心理・法律・経済を含む、総合的な基礎知識を取り上げます。 その中でもこの「はじめに」ページでは、各ページの要約が書かれています。 2018年9月11日現在でパワー・ハラスメントは、法律上は定義されていません。そのため、パワハラに該当することによって、何かしらの法的効果が発生するわけではありません。パワハラに該当するからではなくて、他の法律要件に該当するから、法的効果が発生するに過ぎません。 法律上の定義がないため、各行政が独自にパワー・ハラスメントを定義しています。現在、パワハラの定義でもっとも有名なものは、厚生労働省の定義です。 行政が出している定義に該当することによって、何かしらの法的効果が発生するわけではありません。しかし、パワハラ解決に向けて行政を動かすには、少なくともその行政が出しているパワハラの定義に当てはまらなければなりません。 そして、行政を動かすために、パワハラ被害に遭っていることを示す証拠が必要となるのです。厚生労働省に動いてほしい場合は、厚生労働省が出すパワハラの定義に該当すると証明するものが必要となります。法務省に動いてもらいたい場合も同じです。 そこで大切となるのが、パワハラの証拠の集め方です。パワハラにはさまざまな類型がありますが、その類型によっては証拠を集めにくいものも多く、戦略的に集めていく必要があります。

 

投稿日:2017年6月14日 更新日:

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