パワハラ職場から脱出したとしても、それでパワハラが解決になるわけではありません。
パワハラの後遺症が出る可能性があるからです。
睡眠障害、パニック障害、対人恐怖症、うつ病などが残ったり、原因不明の胃痛、頭痛、吐き気に悩まされる人もいます。
そして、ほぼ全員に共通するのは「自信喪失」です。これは見過ごされがちですが、自信を喪失するとビクビクしやすくなり、行動力もなくなります。その結果、再就職などが難しくなることもあり、見過ごすことができないパワハラ後遺症の1つです。
(なお、このページでいう「パワハラ」の定義は、下記のページでご説明しています。)
第1章 パワハラは、法律上の用語ではない:行政書士による法的解説
人には「減らず口叩くな」と反論・意見を封じておいてグジャグジャ文句を言って、言ってる事がおかしいと指摘を受けると「はじめに言って欲しかった」。パワハラ後遺症か2時間も眠れなかった今朝、目覚めて叫んだ。「それこっちのセリフだよ!」お前が先に言え!てか言ってるし!忘れてんのあんた!
— 桜井真理 (@m_saku01) June 7, 2017
最近パワハラの後遺症に悩まされてる( ; ; )
つらい。職変えたけど、今の職場の人間関係にうちとけられない…対人コミュニケーションだめだわ— ことりん@8月リンホライブP席 (@_nirotok) June 7, 2017
パワハラの後遺症が再燃。
医師に高圧的に皮肉を言われてから父の病院に行くのが怖い。
土日はいないと来てみたけど飛び出して喫茶店。数日経って薄れるかと思ったけど根が深くなってた。
— だかなん。 (@otyazukearare) May 21, 2017
【1】パワハラ後遺症に対処する
パワハラは、その組織から離れた後でも、後遺症が残ることがあります。たとえば、胃の痛み、めまい、頭痛などが、何年も続いている人もいるのです。
うつ病、パニック障害、対人恐怖症、適応障害、睡眠障害など医師の診断が下されるものもありますし、関連する人や場所をみると生じる胃の緊張、胃痛、めまい、頭痛などに苦しむ人もいます。
パワハラは退職、転職したとしても、完全解決とはいかないことがあるのです。
パワハラ後遺症にも対処する必要があります。
【2】自信喪失という大きな悪影響
パワハラ後遺症の中で、ほぼ全員に共通するのは「自信喪失」です。
そもそもパワハラは自己イメージ=セルフイメージへの攻撃ですから、自己イメージが下がってしまうのは当たり前のことです。自分には存在価値がない、自分は無能であると思ってしまいがちなのです。
自己イメージが下がると積極的に行動を起こすことが難しくなります。また、行動を起こしたとしても、行動を続けることが難しくなります。自己イメージが低いと失敗を恐れやすくなりますし、失敗したときに「やっぱり自分はダメ人間だ」「やっぱり自分は無能だ」と思ってしまうからです。
最終的には、現状を変えるには何かしらの行動を継続的に行う必要があるのですが、その行動をとれなくなってしまうのです。
【3】パワハラ後遺症には、自己イメージへの働きかけが必須
医師の指示に従うことは当然に大切です。
しかし、医師は自己イメージへの働きかけはしてくれません。自己イメージを高めるような働きかけはせずに、むしろあなたを「患者」の状態に留めてしまうことさえあります。
ですから、医師やカウンセラーへの通院だけでは足りません。自己イメージを高めてくれる働きかけが必要となります。
周囲の人がそのような働きかけをしてくれるのが一番ですが、難しればプロフェッショナル・コーチを雇うことも考えてみてください。コーチは、自己イメージを高める働きかけのプロフェッショナルです。
パワハラによって失った自己イメージを取り戻し、また以前より高い自己イメージ確立をしてくれるでしょう。
【4】自信を取り戻して、前に進む
パワハラ後遺症を払しょくするには、自信を取り戻して前に進むしかありません。
前に進むことでは傷は消えないかもしれませんが、少なくとも傷に悪影響は受けなくなります。古傷があることは知っていても、その傷に捕らわれることがなくなるのです。
自己イメージを高く持って、前に進んでいきましょう。そうすると自然と、パワハラ後遺症による悪影響は減り、自然と収まっていくものです。
【5】自信を取り戻す方法
自己肯定感を取り戻す方法にはさまざまなものがあります。特に自己効力感を取り戻す方法については、学術的には3つ紹介されています。
- 成功体験
- 観察学習(モデリング)
- 言語的説得
1つは成功体験を積むことです。もし成功体験を積むことが難しいときは、他者の成功体験を観察することで自己効力感が上がるようです。その観察学習が難しい場合でも、言語的説得があります。つまり、自分で自分に対して説得をするのです。
いつ、どこでも、誰でもできるのは「言語的説得」です。コーチングではこれを、セルフトークのコントロールと呼びます。心の中の声をセルフトーク(内言)と言いますが、これをコントロールするのです。
セルフトークのコントロールの基本は「自分らしい」と「自分らしくない」です。ゴール側にいる自分が「自分らしい」、そうでない自分は「自分らしくない」と評価をします。たとえば、パワハラ後遺症で動けない自分は「自分らしくない」、後遺症改善に向けて行動を起こしている自分は「自分らしい」のように心の中で評価するのです。
このセルフトークのコントロールを使いながら行動を起こし、成功をすれば「自分らしい」と評価します。そしてうまくいかなったときは「自分らしくない」と評価をします。失敗したときに「自分らしくない」と評価することがポイントです。これによって、自分に言語的説得をしながら、成功体験を積むことができます。
反対から言えば、このセルフトークのコントロールができないとなかなか成功体験を積むことは難しくなります。ですから、まずはセルフトークのコントロールを身に付けましょう。そして、セルフトークをコントロールして、どんどん成功体験を積んでいきましょう。
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パワハラ解決の基礎知識ーはじめに(目次)