あなたの目的=ゴールと、あなたが置かれた状況から、方法が定まります。
あなたがパワハラ職場からの脱出をゴールとしていて、かつ転職ができない状況であれば、当然ですが転職以外での解決策を探すことになります。
あなたが、加害者を職場から排除することを望んでいて、あなたが社長と仲が良いのであれば、社長を通じての加害者を異動または退職させる方法を選ぶでしょう。
この章では、よくある目的と、よくある状況を取り上げて、基本的な解決策を示していきます。解決策を考えるときのヒントとなるはずです。
【1】上司からパワハラを受けており、会社を辞めたくない
会社の上司から暴言や怒鳴るなどのパワハラを受けているが、仕事は辞めたくないという、パワハラの典型的な事例です。
この場合の本音は、「上司さえ、いなくなってくれればいい」というものです。ですから、これをゴールにすることとなります。その上司が自営業者のトップでない限りは、基本的にはそのトップを異動または退職に追い込む方向性となるでしょう。
まずは、その上司を異動や退職させる権力を持った部署や人物を探します。大企業であれば人事部、中小企業であれば社長や部長となることが多いです。この場合、この部署や人を説得することがサブゴールとなります。
大企業にいて人事部やハラスメント相談室がある場合は、まずはそこに匿名で連絡を取りましょう。そして、どのような資料や証拠があるとよいのかを確認しておきます。基本的には被害メモや録音、もしくは録画がほしいと言われるはずです。また、証人がいるかどうかも確認されることが多いです。
暴言や怒鳴る様子はボイスレコーダーで録音しやすいため、ボイスレコーダーでの録音を始めます。ただし、いつ暴言や怒鳴られるかはわかりませんので、ボイスレコーダーは常時録音にしておくのがよいでしょう。
常時録音にすると、今度は検索に時間がかかるようになります。そこで、被害メモを取るようにします。特に大切となるのが、日時です。時間は分単位でメモしておくと、ボイスレコーダーの内容確認もしやすくなるでしょう。このような証拠が1ヶ月程度分、あると十分だと思います。
ただし、加害者を異動・退職に追い込むには、通常はそれだけでは足りません。複数人から告発が必要です。
そもそもパワハラ加害者は、処分されること自体が少ないのが現状です。しかし、複数人からの訴えがある場合は、通常、組織は動きます。
ですから、加害者を異動させたい場合には、仲間の存在が必要不可欠となります。どうやって仲間を作るかについては、電子書籍『パワハラによる孤立から脱出する方法』を見ていただきたいです。書籍1冊で説明している内容なので、書ききれないためです。
仲間と証拠を集めて、共同で訴えをすることです。それができないと、加害者側の処分はほとんど考えられないと思っておくのが、現実的だと思います。
【2】同僚からパワハラを受けており、上司も放置しているので辞めたい
同僚からパワハラを受けており、上司もパワハラの存在に気づいているのですが放置している場合です。「この会社には居たくない」という思いがあるのですが、転職が難しいと思っていて辞められないと思っているとします。
この場合は、本音を言えば「転職したい」というものです。ですから、転職活動をするのが一番です。転職サイトや転職エージェントに登録しておいて、日々情報に目を通すのです。
ただ、転職をするとなると出てくる問題点は、給料が下がる可能性があるというところです。その場合は、「現状より、給料が高いところへの転職をする」というゴールにするとよいでしょう。つまり、現状の会社に見切りをつけて、転職ステップアップを目指すということです。
もちろん、一方で転職の場合は、いつ転職が決まるかどうかが分からないという不安もあります。転職活動は基本的には「待ち」なので、「いつまでこの状態が続くのだろう」と不安になりやすいのです。そのような人には副業をお勧めしていて、その具体的な方法については電子書籍『パワハラ・職場いじめを脱出するための副業・起業プログラム』をご覧ください。
【3】方法の有効性は、状況によって異なる
上記に2通りの典型的な目的・状況を書きました。しかし、あなたにとってはまったく参考にならなかったかもしれません。
どのような方法が有効かは、目的・状況によって異なります。あなたが置かれている状況次第で、あなたが取りうる手段は大きく変わってきます。たとえば、「コネ入社のため辞められない」ということもありますし、「独立・起業をしたいけれど、提供できる技術などを持っていない」という場合もあります。
方法は、その時々に、目的と状況を見据えながら、自ら作り出していかなければなりません。特に現状維持ではいけないときは、自ら方法を作っていく必要があるのです。
この章は、その方法を作るためのヒントとして利用していただければと思います。
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