次に出版予定の『パワハラ被害者のためのアサーション・トレーニング』の「はじめに」を公開します。
はじめに
パワハラは耐えると、エスカレートします。中途半端に反撃をしても、エスカレートします。
反撃をするなら一気に徹底的に躊躇なく、行う必要があるのです。
しかしそのようなことができる人は、ほんの一握りです。
一気に徹底的に躊躇なく反撃をしたい気持ちはあっても、リスクを考えると実行できません。
パワハラ被害者には、リスクが少なくて、効果的な反撃方法が必要なのです。
それが本書でお伝えする「アサーション」です。
アサーションは、”自分も相手も大切にした自己表現方法”と言われます。
しかし、私が本書でお伝えしたいアサーションとは「自分を不利にせず、有利になるための自己主張方法」です。
パワハラ被害者は、定義上、不利な立場にあります。少なくとも本人としては、不利な立場にあると思っています。
この状況を不利な状況にすることなく、有利な状況にするためのスキルとしてのアサーションを本書ではお伝えします。
アサーションはスキルです。技術ですから、身に付けるには練習が必要となります。
日常生活の中で練習をし、文章を書いて練習をすることによって、少しずつ身についていきます。一朝一夕で、身につくものではありません。
しかし練習をすればするほど上達し、適切に自己主張ができるようになっていきます。
自己主張ができるようになればなるほど、自己肯定感や自己効力感が高まってきます。パワハラにあって奪われた自信を取り戻すことができるのです。
本書は、アサーションをトレーニングするための本です。日常生活の中でチャンスを見つけて、繰り返し実践を行ってください。無理はしない範囲でよいので、機会を見つけては練習しましょう。
あなたが本書で「自分を不利にせず、有利にするための自己主張方法」を身に付けて、1日でも早くパワハラ被害から脱出されることを望んでいます。
平成30年10月31日 パワハラ解決コンサルタント 行政書士・コーチ 三國 雅洋