「いい人」は、自分を犠牲にして、
相手のゴール達成をサポートしようとします。
しかし、それは結局、ゼロサムゲームの中で生きていることになります。
誰かが得をしたら、誰かが損をするという世界です。
私達が住むべき世界は、そういう世界ではありません。
両者が、自分のゴールに近づくような接触を心掛けましょう。
「いい人」は相手のゴールのために、自分を犠牲にしようとする。
しかし、それは結局、ゼロサムゲームの世界で生きることになる。相手のゴールに貢献しつつ、自分のゴールに近づくような方法を探そう。
— パワハラ解決!法律家&コーチ 三國雅洋 (@artof_challenge) 2017年2月16日
【1】「いい人」の多くが、自己犠牲的な「ギバー」
「いい人」にも、2種類あると、アダム・グラントという心理学者が言っています。
「いい人」は、他者利益の関心が高い人ですが、
自己利益の関心が高い人と、低い人がいます。
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このうち、他者利益への関心が高く、自己利益への関心が低い人を、
アダム・グラントは「事後犠牲的なギバー」と名付けています。
一方で、他者利益への関心も、自己利益への関心も高い人を、
「他者志向的なギバー」と呼んでいます。
「いい人」が目指すべきは、この「他者志向的なギバー」です。
【2】「自己犠牲的なギバー」は、ゼロサムゲームの世界に生きている
ゼロ和(ぜろわ、英: zero-sum)とは、複数の人が相互に影響しあう状況の中で、全員の利得の総和が常にゼロになること、またはその状況を言う。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BC%E3%83%AD%E5%92%8C
自己犠牲的なギバーは、その世界観にあるのはゼロサムゲームです。
つまり、誰かが得をするためには、誰かが犠牲にならなければならないということです。
しかし、これは本当でしょうか。
西條剛央先生は、価値を次のように定義しています。
「価値」とは「欲望や関心、目的に応じて(相関的に)立ち現れる良し悪しに関する意味」
https://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/32706/1/WasedaKokusaiKeieiKenkyu_42_Saijo.pdf
つまり、欲望や関心、目的に応じて、価値は変わるということです。
相手にとって価値あることと、あなたにとって価値あることは違います。
昔のあなたと、今のあなたでさえでも、価値は違うのです。
つまり、相手に価値を提供しつつ、
あなたにも価値あることをすることは可能だと言うことです。
【3】両者にとって価値があることを探す
価値は、欲望や関心、目的に応じて、見出されるものです。
「すべての価値は、欲望や関心、目的といっ たことと相関的に(応じて)立ち現れる」
https://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/32706/1/WasedaKokusaiKeieiKenkyu_42_Saijo.pdf
ですから、両者の欲望や関心、目的を知ることが重要となります。
これを知ることによって、ゼロサムゲームから抜け出すことができるようになります。
抜け出した先にあるのは、価値が増える世界です。
たとえば、それが仕事であるなら、
1回の仕事で最大限に価値を生み出したということです。
逆から言えば、相手が得をして、自分が損をする取引をしたというのは、
もっともっと生み出すことができた価値を、失ったということでもあります。
【4】あなたはもっと価値を生み出せる
あなたが周囲から「いい人」だと思われているなら、
そして、自己犠牲的な性格だと思っているなら、
あなたにはもっともっと価値を生み出せるということを、
心に刻んでおいてください。
そして、あなたがもっともっと価値を生み出せるのに
生み出していないなら、それは社会にとって損失であることも、
忘れないでください。
あなたなら、もっともっと価値を生み出せますし、
もっともっと人の役にも立てるはずです。
自分にとっても、相手にとっても価値あることを、
両者の欲望・関心・目的に適うものを探して、
価値を最大限に生み出す努力を行ってみましょう。