1つの道をずっと進むのは、
たしかに理想的とされます。
しかし、それは必ずしも、
効率のよい方法ではありません。
さまざまな分野を行き来するほうが、
実は、より早く、高みに上りやすいのです。
Wouter van Vliet via Compfight
【1】ある分野での実績を、他の分野で活かす。
たとえば、勝間和代さんは、現在は経済エコノミストです。
しかし、最初は勉強法の本で有名になりました。
では、なぜ勉強法の本で有名になったかといえば、
最年少で公認会計士試験に合格したからです。
たしかに、後から見ればつながっているように見えます。
しかし、勝間さんは、
直線的に経済エコノミストになったわけではありません。
公認会計士最小合格者という実績で、
勉強法の本を出し、出版実績を作って、
そこから勉強法以外のノウハウ本を出して、と、
少しずつ分野を変えてきたのです。
【2】なぜ違う分野の実績が役に立つのか。
たとえば、私が実際に使っている資格の1つに、
行政書士というものがあります。
しかし、これは法律業界では、
それほど高くは評価されません。
むしろ、「教養試験」のような扱いをされて、
大学で法律を勉強した人なら合格して当然のような
言われ方をすることがあります。
ですが、これをコーチ・カウンセラー業界に持ち込むと、
まったく評価が違ってきます。
「法律を知っているのは、
クライアントにとってもよいですね。」と言われます。
そして、カウンセリング資格を主張するよりも、
信頼を得やすいという利点もあります。
では、なぜこのように評価が変わるかと言えば、
比較の軸が変わるからです。
もしあなたが、労働問題で悩みを抱えているとき、
行政書士、社会保険労務士、弁護士がいたら、
普通の人は社会保険労務士か、弁護士に依頼するでしょう。
これは、労働問題という点で観るからです。
しかし、ここに労働問題を専門とする行政書士・コーチがいると、
どうやって評価すればよいかが分からなくなります。
ただただ法的なサポートを得るだけなら、
同じ軸で足りるでしょう。
しかし、親身になってくれるかどうかという軸を含めると、
簡単には決められません。
また、親身になってくれるかどうかという点で、
行政書士という資格が、信頼性を高めてくれます。
別の分野の技術・経験が、
自然と信頼性を高めてくれるように働くのです。
【3】小さな実績が、別の分野での大きな実績となる。
学歴が役立つとされるのは、この点です。
高い学歴があると、他の分野に進んだとき、
学歴によって信頼性が自然と補強されるのです。
高学歴の人々が事件を起こすと、ニュースになります。
これは、高学歴の人々は事件を起こさないという、
暗黙の信頼があるからです。
たとえば、ホリエモンは、
起業するのに東大出身というブランドが役立ったと
言っています。
ここで大切なことは、
実績は、同じ分野の上位にいる人にとっては
大したことがないとされるものであっても、
違う分野に出れば、
全く評価が変わってくるということです。
小さな実績であっても、
別の価値観に照らした場合、
その実績は大きなものとなるのです。
別の実績は、ほぼ間違いなく、
あなたの信頼性を高めることにつながります。
私は、この本を電子書籍で出版しています。
飛びぬけた実績というわけではありませんが、
この実績が、私の信頼性を高めているのは間違いありません。
【4】ジグザグに進むことが、実績を活かすことにつながる
なぜこのような話をするかと言えば、
自分には副業は無理だと
おっしゃる人が多いからです。
やったことがないから無理だというのではなくて、
自分には提供できるようなサービスがないとか、
実績と呼べるものがないとおっしゃるのです。
しかし、それは私からみると、
十分な実績なものが多いのです。
たとえば、工場で30年間、
研修指導をしてきたという経験は、
それだけで十分な実績です。
作家をしているというのも、
大きな実績です。
おそらく、その実績をもって支援業に入れば、
それだけで多くの人の興味を引くことができるでしょう。
しかし、本人にとってはそれが当たり前すぎて、
実績を活用できていないのです。
これはある意味当然のことなのですが、
ある実績の価値というものは、
そこから飛び出てみないと分からないものなのです。
斜めにジャンプしてみて初めたとき、
元いた場所が、今いる場所の信頼性を高めていることに
気が付くのです。
【5】同じ場所に、無理に留まる必要はない
実績を積み重ねようとして、
1つの場所に無理に留まろうとしなくてもよいのです。
あなたが今まで築いてきたキャリアは、
別の分野ではもう十分に大きなキャリアとなります。
今いる分野で伸び悩んでいたり、
もしかして、本当はもう別の分野にいきたいと思っているなら、
迷わず新しい分野に進んでみましょう。
もし、また戻ってきたいなら、戻ってこればよいのです。
まずはチャレンジです。
きっとそのチャレンジは、
あなたが築いてきたキャリアが
別の分野でいかに役立つかを教えてくれるでしょう。
そして、それはあなたの自己肯定感を高めることにも、
繋がるはずです。
そして、それは、
あなた自身が好きなことをすることを、
肯定することにも、きっとつながるでしょう。