パワハラ脱出プロジェクト|福井県敦賀市パワハラ問題解決の専門家による被害者のための総合情報提供ブログ

福井県敦賀市のパワハラ解決コンサルタント(行政書士・コーチ・コンサルタント)による、被害者のための総合情報提供サイト

職場いじめ・嫌がらせ・パワハラを克服する

パワハラは刑事罰の対象となるか?

投稿日:

「パワハラは、犯罪です」という言葉があります。

ですが、本当にパワハラは犯罪なのでしょうか。

この点について、法的に解説をしたいと思います。

15th EMC2 - Second European Regional RoundCreative Commons License ELSA International via Compfight

【1】犯罪となるパワハラもある

先に結論を述べれば、犯罪となるパワハラはあります。

たとえば、侮辱罪、名誉棄損、暴行罪、傷害罪に当たる場合はあります。

刑法

第三十四章 名誉に対する罪

(名誉毀損)
第二百三十条  公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

たとえば、名誉棄損に該当する例としては、直近の上司から「社長と身体の関係がある人は、仕事が楽でいいよね」というウソを、言いふらされるような場合です。

これは「精神的な攻撃」に該当するパワハラ行為と言えます。

(侮辱)
第二百三十一条  事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

たとえば、「バカ」「ノロマ」などと、公然と言われた場合は侮辱罪となります。

しかし、この2つの場合については、あなたが告訴をしない限りは、刑事上の処罰はされません。

加害者を逮捕してほしいなら、告訴が必要だということです。

ですので、実際に加害者が名誉棄損、侮辱罪で、逮捕に至るケースはかなり少ないでしょう。

退職後に、どうしても許せない場合でない限りは、まず考えられません。

言いかえれば、会社を辞めることになっても構わないと思えるなら、刑事事件化を目指すのも一つの手です。

(親告罪)
第二百三十二条  この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

【2】病気にさせるのも、「傷害罪」に当たる

これはあまり知られていないのですが、傷害罪は、相手を病気にさせた場合も成立します。

「傷害」は、「傷害とは、人の生理的機能を侵害することまたは健康状態を不良に変更することであり、それがあれば外部的完全性を損なわなくても傷害である」と解釈されています。

ですので、故意に相手をうつ病やパニック障害など、病気に追い込んだ場合は、それは傷害罪に該当しうるのです。

(傷害)
第二百四条  人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

ただ、故意(未必の故意)を証明するのが難しい。

ですので、もしあなたの心身の不調が出始めたら、「このままでは心身の病気になりかねない」ということを、相手に警告しておくことが望ましいと言えます。

もちろん、このような警告を実践することは、事実上難しいのは知っています。

ですが、報復を考えているなら、このような準備は必須です。

 

また、因果関係を証明するのも難しいとされます。

そのため、もし病気に罹ってしまったら、心療内科等に通院し、「パワハラ行為が原因」という診断書を書いてもらえるようにお願いをしましょう。

 

 

【3】物を投げるのも、「暴行罪」

ここでもあまり知られていませんが、暴行罪は直接、身体に触れなくても成立します。

たとえば、物を投げてきたら、それは暴行罪になりうるのです。

(暴行)
第二百八条  暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

物を投げる行為も「暴行を加えた」に該当するということです。

このような知識を持っていないと、そもそも暴行罪に当たることを認識できません。

認識できないということは、加害者への制裁にも利用できないということです。

ですから、知っておいて損はないでしょう。

 

【4】刑事事件化すること、脅迫に使ってはいけない

このように、パワハラ行為には刑法に違反するものが、多々あります。

ですが、パワハラは犯罪だとは、やはり言いすぎです。

犯罪となるかどうかは、それぞれの条文に当てはまるかどうかで考えるしかありません。

 

また、加害者の行為が犯罪行為であるとしても、あなたが何をしてもよいというわけでもありません。

「刑事告訴されたくなければ、お金を払え」と言えば、恐喝罪に当たる可能性もあります。

弁護士等の内容証明は「法的手段も辞さない」という表現を好んで使うのは、恐喝にならないようにするためです。

 

加害者は、もともと相手の弱みに付け込むのが得意です。

ですから、あなたも足元をすくわれないように十分に注意してください。

そして、しっかりと正当に制裁を加えて、気持ちをスッキリさせたら、前を向いて進んでいきましょうね。

 

 

-職場いじめ・嫌がらせ・パワハラを克服する

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

「いい人」こそ、自分らしさを大切にするべきだ。

「いい人」は、自分よりも相手を優先しようとします。 その結果、自分らしさを表現できなくなっていきます。   それが、攻撃する側にとっては、 恰好の攻撃材料となるのです。   加害者 …

no image

パワハラ被害者のための「臆病な自分」の克服法

パワハラ被害に遭っていると、恐怖との戦いの毎日です。 「仕返ししたい!」、「言い返したい!」と思いながら、実行に移せない。 臆病な自分に嫌気が、さしてしまいます。 どうすれば恐怖を克服し、臆病な自分を …

no image

証拠があるから、国家権力を味方にできる。国家権力を味方につけるから、強くいられる。

パワハラを解決するためには、法律知識は必須です。   パワハラに関係する法律を知っているからこそ、 適切な対処ができるようになるのです。   法律で可能なことと、 不可能なことが分 …

no image

パワハラをエスカレートさせない、簡単で効果的な方法

パワハラを受けて、その場で適切に対処できる人は多くありません。「言い返そう」と心に決めていても、できないことのが普通です。 まずはその場でメモ帳を取り出すことから始めてください。メモ帳にメモしている姿 …

no image

パワハラといじめの違いは何か?

無料個別相談会のリンクです。 ⇒パラハラから脱出する現実的な解決策を知りたい方は、こちら   Michael Coghlan via Compfight パワハラといじめの違いは何でしょうか …

読者登録フォーム

【無料メルマガ】『パワハラを脱出する方法』
読者登録フォーム
お名前(姓名)
 
メールアドレス
受信形式
HTMLメール
文字メール
2017年3月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

パワハラなんかに負けない。

あなたはパワハラなどに負けたりしません。

法律面・心理面・経済面の3側面を考慮に入れた、現実的な解決策を実行しましょう。

パワハラ問題の専門家による現実的な解決法は、こちら。

↑無料個別相談会へのリンク

カテゴリー