パワハラから脱出する場合に、法律そのものを使うことは、ほとんどないはずです。
そもそも、パワハラは法律上は定義されていません。
それでも、パワハラに関連する法律を知っておくのは、心理的に優位に立つためです。— 三國雅洋:パワハラ解決コンサルタント (@artof_challenge) June 27, 2017
加害者がどのように言いつくろおうとしても、厚生労働省のパワハラの定義に当てはまる以上は、法的にパワハラだと主張しやすくなります。
「今の言動は、厚労省のパワハラの定義に該当します。」と言えることで、加害者に対して心理的有利に立てるのです。— 三國雅洋:パワハラ解決コンサルタント (@artof_challenge) June 27, 2017
加害者に対して実際に、「パワハラですよ」と言えなくてもよいのです。
心の中で”今のはパワハラだ”とわかれば、証拠を取ることができます。
パワハラでなく指導だと思っていたら、証拠を取ろうという考えさえ起きません。— 三國雅洋:パワハラ解決コンサルタント (@artof_challenge) June 27, 2017
自分が受けているものが、パワハラ(の可能性が高い)と認識できることが大切なのです。少なくとも、社会的に許容されるものではないことを知っておくことによって、はじめて対処行動を取れるのです。
— 三國雅洋:パワハラ解決コンサルタント (@artof_challenge) June 27, 2017
【1】パワハラは法律上の用語ではない
パワハラは社会問題となっているため、パワハラ問題に関係する行政が各自で定義を出しています。しかし、法律上は、パワハラの定義はありません。
法律上の定義はないため、厚生労働省の定義に該当するパワハラを受けていたとしても、必ずしも法律違反とは言えないのです。
しかし、それでもパワハラに関連する知識は持っておいた方がよいでしょう。
それは、加害者に対して心理的に優位に立つためです。
【2】定義を知っておくメリット
加害者は、自分の言動がパワハラに該当するとは思っていません。違法行為だと認識していないのです。
ですから、あなたが加害者に対して「その言動はパワハラです」と言っても、相手は納得しないでしょう。
しかし、あなたが厚生労働省のパワハラの定義と、パワハラの6類型を示して「今の言動は、厚労省のパワハラの定義に該当します。」と主張したらどうでしょうか。
あなたが厚労省のパワハラの定義を示すことで、加害者に対して、しっかりと主張できるようになるのです。
【3】認識できるから、対処できる
パワハラの定義を知っておくことは、被害から早く抜け出すためにも大切です。なぜなら、パワハラ被害者の中には、自分が受けている被害をパワハラだと認識していない人も多いからです。
厚労省のパワハラの定義を知っておくことで、自分が受けている言動はパワハラだと認識できるようになります。加害者が「指導」だと主張したとしても、「自分が受けているのはパワハラだ」と気づくことができるのです。
気付くことができるからこそ、対処行動を取ることができるようになります。ですから、定義を知っておくことは大切なことなのです。
もちろん、定義に当てはまったからといって、法的に何かができるとは限りません。しかし、相手の言動が違法な行為であると主張しやすくなります。そして、自分は悪くないのだと自分の正当性を確認しやすくなります。
それが加害者に対して、心理的に優位に立つことにつながるのです。
パワハラは最終的には心理戦です。しかし、心理戦に勝つためにはある程度の法的知識が必要となります。
パワハラの定義などを確認しておきましょう。きっとあなたは”悪いのは加害者だ”と思うことができ、対処行動を取りやすくなるはずです。