パワハラを受けたときに「立ち止まる」というのは、無意識の習性の1つです。コーチングでは「アティチュード」と呼ばれます。
これは”意識しなければそのような判断をしがちである”という、判断の習性の1つです。— パワハラ解決コンサルタント 三國雅洋 (@artof_challenge) 2017年5月13日
【1】無意識に好む判断の仕方がある
パワハラを受けたときに「立ち止まる」のは、判断の習性の1つです。
これをコーチングでは「アティチュード」と言います。アティチュードは、無意識の判断の習性です。意識しなければそのような判断をするという、自分にとって慣れている判断の仕方です。
【2】「立ち止まる」は、リスクを取らない判断
「立ち止まる」というアティチュードは、リスク回避の思考傾向を表しています。
「戦う」「逃げる」のどちらを選んでもリスクはありますが、「立ち止まる」にリスクはありません。少なくとも短期的なリスクがないのが「立ち止まる」です。つまり、「立ち止まる」は、損を薄く伸ばす思考傾向なのです。
もちろん、「立ち止まる」ことは有効な戦略の1つです。ですが、パワハラにおいては何も改善につながらない選択肢です。
【3】適切にリスクを取る
パワハラにおいては、「戦う」「逃げる」などのリスクを負う選択肢を選ぶ必要があります。
リスクを負わなければ、状況を変えることはできません。現状維持では、何も改善はないのです。
しかし、ただ無謀にリスクを取る必要はありません。適切にリスクを取るのです。自分が許容できる範囲内でのみ、リスクをとればいい。これを「許容損失」と言います。自分が許容できるリスクのみを取るのです。
【4】損を覚悟できるかどうか
許容損失というのは、自分が許容できるリスクを引き受けるというものです。
言い換えると、仮にうまくいかなかったときでも、自分が困らない程度のリスクだけを引き受けること。たとえば、加害者に反論をしたら、あなたは加害者から報復を受けるかもしれません。しかし、その報復に自分は耐えられると思えるなら、それは許容損失内です。ですから、加害者への反論を始めるべきです。
それによって生じる利得ではなくて、損失に注目する考え方が「許容損失」です。そして、生じうる損失に注目して、それを覚悟できるなら実行せよと言います。
最終的には、損失を引き受ける覚悟があるかないかという話になります。
しかし、この覚悟こそがパワハラから脱出するために必要なものなのです。この覚悟が持てない人が、あっせん、調停、訴訟などを起こせるわけがありません。
損失を許容できる人だけが、パワハラから脱出できるのです。
もちろん、ただ覚悟をするのではありません。
適切にリスクを見積もって、そこから生じうる損失が許容範囲なら、実行に移しましょう。損を覚悟して、行動に移していきましょう。