「コーチングとアサーションの違いって何ですか?」という質問がありました。
まったく違うのですが、抽象的に話してもわかりにくいでしょう。
私がサポートしているパワハラ問題の例で言います。
【1】アサーションは、適切な自己主張の方法
アサーションとは、適切な自己主張の方法です。
たとえば、パワハラ行為に対するアサーティブな主張は次のようなものです。
「急に怒鳴られると、怖くなります。止めていただけるでしょうか。」
これは、事実を述べ、事実に対する主観を述べた上で、提案をしている例です。
別の観点から言うと、パワハラにならない自己主張方法が、アサーションです。
【2】コーチングは、適切に、脳と心を使えるようになるためのサポート
一方でコーチングは、
目標達成のために、
適切に脳や心の仕組みを使えるようにすること。
パワハラに負けない心を作るものと言ってもよいです。
パワハラを受けても、
健全な自己肯定感や自己効力感を保ち続けて、
困難を克服するための行動を取り続けられるようにするものです。
【3】自己主張の方法論と、メンタルの方法論の違い
アサーションは自己主張のための方法論です。
そして、コーチングは目標達成のための脳や心の使い方を身に付けるものです。
ですので、全く違います。
ですから必要があれば、
私は依頼者に実際に、アサーションも教えます。
【4】アサーションは、パワハラ被害者に役立つ
もともとアサーションは、
公民権運動など人権運動で発展してきたものです。
ですから、いじめやパワハラ問題には相性がよいのです。
ただ、アサーションを学ぶだけでは、心理的に実行できないことがあります。
そこで、コーチングを用いて自己肯定感を高め、実行できるようにするのです。
【5】これらの技術は、必須
パワハラやいじめ問題に取り組むには、
カウンセリング、コーチング、アサーションの知識や技術は必須だと思います。
そして、全くこれらの知識のない人が、
善意で被害者の助けに入ることで、実は問題が大きくなっています。
専門家への相談が、遅れてしまうのです。
人間は誰でも、ある程度カウンセリングはできます。
心を落ち着かせることまでは、ある程度はできるのです。
しかし、落ち着いても現状は何も変わりません。
パワハラ加害者は、何も変わらないのです。
現状を変えていくときに、
コーチングによるモチベーションアップや、
アサーションというコミュニケーション手法を伝えられないと、
ただ、パワハラで苦しむ時間が増えるだけなのです。
【6】専門家にいち早く相談を
ですから、周囲の人がいじめやパワハラ等で困っていたら、
あなたが話を聞くのを続けるのではなく、
できる限り早く専門家に依頼することをおすすめしておきます。
話がずれましたが、アサーションとコーチングの違いについてでした。