たとえば、パワハラを受けていて、
会社を辞めたいと思っている。
しかし、辞めたいと言うことができないとき、
どうすればよいでしょうか?
今回は、口頭で伝えたい場合について、お話しします。
【1】アサーティブな伝え方を身に付ける。
口頭で「辞めたい」と伝えるときに、
大切となるのが伝え方です。
どのように言うかが、結果に大きく影響します。
私がおすすめするのが、
アサーションと呼ばれるコミュニケーション手法です。
【2】基本は事実を伝えること
アサーションの基本は、事実を伝えること。
いろいろな手法があるのですが、
客主提選という、『アサーション・トレーニング』という本で
紹介されているものを簡単にご説明します。
客主提選は、話す内容と順序のテンプレートです。
客は客観的事実。
主は主観。
提は、提案。
選は、選択肢。
基本となるのは、事実を伝えることです。
事実なら、伝えやすいからです。
【3】家族に、「辞めたい」と伝えるとき。
たとえば、妻に会社を辞めたいと伝えたいときは、
次のような言い方になるでしょう。
「会社で、上司に毎日無視をされていて、仕事も与えられない。
仕事をほしいと言っても、無視をされる。
家族に迷惑を掛けたくなくて、ずっと辞めたいと言えなかったけれど、
もう耐えられないぐらい辛い。
転職活動をしてもいいかな。
転職すると給料が下がるかもしれないから、その分を稼ぐ方法も考えている。
もし転職に反対なら、転職してもいいと思える条件を教えてほしい。」
最初に客観的な事実を述べて、
それについてどう思っているか、主観を述べています。
その上で、自分の考えた提案を示し、
提案に賛成してくれる場合と、
賛成できない場合の選択肢を示しています。
【4】会社に伝えたいときも同じ。
会社に辞めたいと伝えるときも同じです。
客観的な事実を述べて、
それに対して自分がどう思っているかを述べる。
その上で、提案をして、
提案を飲んでもらえる場合、そうでない場合の選択肢を示す。
もちろん、実際に話をするのは勇気がいりますし、
簡単ではありません。
しかし、テンプレートを持っておくことで、
話す内容と順番について考える必要はなくなります。
どうやって言おうかを考える必要がなくなるのは、
とても気が楽になるはずです。
あとは、冒頭で「とても言い出しにくいのですが・・・」など、
自分の心の実況中継を入れると、
なお言い出しやすくなります。
もっともっと言いやすくしたい人は、
ぜひ『アサーション・トレーニング』という本を
読んでみてください。
このアサーションというコミュニケーション手法は、
日常生活でもかなり使えますので、
ぜひ一度、本を読んだりしてみてほしいと思います。