「お前」と呼ぶことは、パワハラに当たるでしょうか。
法律上の定義に従って、考えてみましょう。
【1】法律上の定義
2019年5月29日『女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案」が成立しました。
この法律案には、パワー・ハラスメントについても規定されています。
これにより、パワー・ハラスメントは「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」と定義されました。
成立法案は、次のURLから見ることができます。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/198/pdf/s0801980381980.pdf
法律上の定義は、上記のとおりです。
しかしながら、「業務上必要かつ相当な範囲」など不明な部分が多々あります。
【2】お互いにフレンドリーな会社なら、パワハラにならない
まず1つ目のポイントは、「優越的な関係を背景とした言動」に該当するかどうか、です。
たとえばですが、「お前なぁ」とお互いに呼び合うような関係の場合は、「お前」と呼んでいたとしても、パワハラには該当しません。
優越的な関係を背景にしたものでなければ、パワハラには該当しません。
「お前」と言い返せない状況なら、職場内の優位性があると考えてOKです。
【3】業務上必要な範囲を超えたもの
第2のポイントは、「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」かどうか、です。
労働契約上、労働者は、使用者の指揮命令に従う義務があります。
その指揮命令権の範囲内であれば、厚労省の定義するパワハラには該当しません。
「お前」呼ばわりについては、業務上必要とは考えられません。
指揮命令をするために、相手を「お前」と呼ぶ必要性が全くないからです。
なお、もしこれが「業務上必要」であるとすれば、日本中の職場で「お前」と呼ぶことが許されることになりかねません。
【4】「お前」呼ばわりは、パワハラと言ってもよいが・・・
「お前」呼ばわりは、パワハラと言ってもよいでしょう。
しかし、これだけで動いてくれる機関も少なく、また相談機関を味方につけるのも難しいかもしれません。
私も「お前」と言われていて全然嬉しくなかったですし、あなたのお気持ちはわかります。
ですが、この1点だけを取ってパワハラと主張することは、あなたにとってメリットはほとんどないでしょう。
【5】加害者の人格を示す証拠として利用する
「お前」呼ばわりは、おそらくパワハラに該当する行為です。
ですが、それのみを持って、加害者と対峙するのは得策ではありません。
その他のパワハラ行為と合わせて、加害者の人格を示すものとして利用しましょう。他人を軽視する傾向があることなどが、この言動から伝わります。
行政や法律家に相談するときには、「お前」呼ばわりされていることを伝えておきましょう。
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