『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 』は、
性格のよい人が、生き抜くための本です。
もしあなたが、過去の職場でとてもうまく行っていたのに、
もしくはとても仲のよい友人がいるのに、
パワハラを受けているなら、
絶対に読んでおいてほしい本です。
【1】「与える人」は、奪われることがある
- その人が、他の人に与える量
- その人が、他の人から受け取る量
この2つの量の、不等号の関係によって、
人は3種類に分けることができます。
1 受け取る量よりも、与える量が大きい人「GIVER(与える人)」
2 受け取る量のほうが、与える量よりも大きい人「TAKER(受け取る人)」
3 受け取る量と、与える量が等しい人「MACHER(バランスを取る人)」
ギバー、テイカー、マッチャーは、その人の傾向です。
ギバーは、受け取る量よりも与える量を多くしようとする人、
テイカーは、受け取る量を与える量よりも多くしようとする人、
マッチャーは、受け取る量と与える量を等しくしようとする人、です。
この3つの種類の中で、
もっとも損をするのは当然、ギバーです。
なぜなら、テイカーにつかまってしまえば、
一方的に奪われるからです。
【2】ギバーは、もっとも得をする場合もある
一方で、ギバーは、もっとも得をすることがあります。
それは、自己利益の追求にも関心を高めたときです。
この場合、テイカーに一方的に奪われることもなく、
また、生産性も高くなり、給料も高くなるそうです。
では、自己利益の追及への関心を高めるとは、
どういうことを言うのでしょうか。
【3】自己利益を確保しつつ、他者に貢献する
自己利益の追求への関心というのは、
自分の利益についてもちゃんと関心を持つということです。
これは、他者への貢献を下げるという意味ではありません。
自分の利益を確保しつつも、
これまでどおり他者に貢献できる方法を探す、
ということです。
たとえば、次のような方法が勧められています。
- まとめて「与える」。
- 年間100時間以内で与える。
- WIN-WINを考える。
- テイカーへは、マッチャーとして振る舞う。
まとめて与えるというのは、細切れで与えるのではなくて、
貢献するための時間をまとめて取るということです。
助けを求められたときにすぐ反応するのではなく、
しっかりと時間をとってから対応するようにする。
こうすることで、自分の生産性を高めることができます。
また、他人への貢献についても、
年間100時間を超えると、幸福感は増えないことが分かっています。
ですから、100時間程度に収めるようにするのです。
これは1年間がおよそ50週ですから、
ボランティア活動は、
毎週2時間程度にするということです。
【4】WIN-WINを考える
これはギバーにとっては、必須の技術です。
ギバーは他者への貢献感が喜びですので、
つい他人に多くを与えたくなってしまいます。
そうすると、どうしても自己犠牲的になってしまうのです。
そのような状態から抜け出すには、
WIN-WINを考えるのが一番です。
つまり、これまで同様の貢献をしつつ、
自分の利益を確保する方法を探すこと。
【5】WIN-WINの考え方
WIN-WINの考え方については、
とても大切なところですから、
詳しく書いておきます。
基本的なステップは、次の3つです。
- 相手の意図を考える
- 自分の意図を考える
- 相手の意図と、自分の意図の共通点を探す
私の例で言えば、
まずは読者にとって役立つことを、
まずは徹底的に考えてみます。
その後、
その有益なことを提供しつつ、
私自身も利益を得られる方法を考えるのです。
まずは相手にとっての利益を徹底的に考える。
その後に、自分の利益を確保する。
もちろん、自分の利益を確保しきれないときは、
相手の利益をさらに考えてみるのです。
そうやって、ハッピーの総量を増やす方法を考えます。
この順番はきっと、あなたも得意な順番だと思います。
【6】テイカーから自分を守る
あなたがWIN-WINを望んでいても、
テイカーはすべてを奪おうとしてくるでしょう。
ですから、テイカーに対しては、
ある程度、冷静に対応する必要があります。
本では、マッチャーとして行動することが
推奨されています。
つまり、基本的には与える側でいるのだけれど、
あまりにも奪われたら、奪い返すようにする。
一定の距離感を保つようにするということですね。
また、この本には書かれていませんが、
一度誤解されるとそれを解くには、
圧倒的な証拠を示す必要があるとされています。
つまり、言葉でいくら弁明しても無駄だと言うことです。
これは言い換えれば、
テイカーと仲良くしようとしても、
まず難しいということです。
ですから、できるだけ離れるようにする。
離れられないときは、ときどき仕返すようにする。
これが一番だということです。
【7】「いい人」であってもOK
この本の一番のメッセージは、
いい人でも得する方法があるということ。
私があなたに伝えたいことも同じです。
いい人が損をすることが多いからといって、
いい人であることを止めないでください。
社会貢献しつつ、自分の利益を確保するのは可能です。
ですから、人の役に立ちつつ、自分を守る方法を考えて、
ぜひ実践していってください。
もし、一人では思いつかない場合や、
まずは辛い思いを何とかしたい場合は、
今回の記事がお役にたったなら、
きっとお役に立つはずです。