パワハラから脱出するには、あなたの現実を踏まえた解決策が必要です。
その方法を見つけるためには、2つのことを考慮しなければなりません。
1つは目的、1つは状況です。
【1】「方法の原理」
西條剛央先生は、「方法の原理」というものを提唱されています。
”方法とは、特定の状況において、特定の目的を達成するための手段である”とするものです。
つまり、方法は、目的と状況によって変わるということです。
目的が同じであっても、状況が異なれば、手段は異なるべきです。
同様に、同じ状況に居たとしても、目的が異なれば、取る手段は異なります。
パワハラから脱出するという目的を実現する手段は、あなたの状況を把握しなければ作りようがないのです。
方法の有効性は、(1)状況と(2)目的に応じて決まる、ということになります。まず、正しく「状況」を把握することが大事です。
http://diamond.jp/articles/-/16242
【2】目的を明確化することの大切さ
一口に「パワハラから脱出する」と言っても、それが意味するところは人によって違います。
ある人は転職することを思い描きますし、ある人は独立・起業することを思い描きます。
加害者を職場から追い出すことをイメージする人もいます。
そして、「方法の原理」が言うとおり、目的が異なれば取るべき手段は異なります。
ですから、目的を明確にしておくことは、とても大切なことです。
また、この目的が明確になればなるほど、達成すべき状態が限定されるため、方法を考えやすくもなります。
【3】状況を把握する
目的を明確化したら、次は状況を把握します。
この状況把握に役立つ概念が、「許容損失の原則」です。
これは「その目的実現のために、何をどこまで失ってもよいか」を決めることです。
たとえば、あなたが加害者を刑事告訴するという目的を持っていたとします。
そのためには、刑事告訴のために時間、お金、労力を割かなければなりません。
たとえば、これに10万円を掛けてもよいと思えるなら、弁護士に依頼をすればよいでしょう。
つまり、あなたが何をどこまで費やしてもよいかを決めることが、あなたの状況を正確に把握することにつながるのです。
【4】解決策を考える
「目的」と「状況」が決まることで、方法が見えてきます。
ただし、一発で最適な方法が見つかるとは限りません。
最初に出てくるアイデアは、何かしらの欠点があるはずです。
たとえば、加害者を刑事告訴するために弁護士に依頼するという手段を取れば、職場に居づらくなるのは当然となります。
ですから、このような欠点を解決する方法も、また考える必要があるのです。
たとえば、先に転職先を見つけておくという手段が考えれます。
または、誰が見ても同情してもらえる状況をつくるために、加害者に対して従順なフリをし続けるという手段があるかもしれません。
いずれにしても大切なことは、ここでも目的と状況を見ながら、解決策から生じるであろう問題点の、予防策を考えることです。
【5】実現策は必ずある
もし、今、あなたに解決策が見えていなくても、諦めないでほしいと思います。
解決策は、認識できていないだけであって、必ずあるのです。
少し状況が変わるだけで、解決策が見つかることもあります。
今、解決策が見つからないからといって、解決策がないことにはなりません。
ですから、諦めずに解決策を求め続けてください。
目的と状況を見つめ続けながら、行動を起こし続ければ、かならず状況は改善します。
諦めずに行動を続けていきましょう。