パワハラは、法律上の定義がありません。
ですから、行政の担当部署がそれぞれに「パワー・ハラスメント」を定義しています。
たとえば、厚生労働省は次のとおり、定義しています。https://t.co/Uwi45Igl5F— パワハラ解決コンサルタント 三國雅洋 (@artof_challenge) 2017年5月13日
法務省は、次のとおり、定義しています。https://t.co/bjhQ9pVOkF
— パワハラ解決コンサルタント 三國雅洋 (@artof_challenge) 2017年5月13日
【1】「パワハラ」は、法律上は定義されていない
パワハラは、法律上は定義されていません。
そのため、パワハラに該当しても、それが何かの法律効果を発生させるわけではありません。
いじめは法律上、定義があります。
そのため、いじめに該当することによっての法律効果も、法律上、規定されてます。
しかし、パワハラはそうではないのです。
【2】行政が各自に定義をしている。
もっとも有名な定義は、厚生労働省の定義です。
職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。
パワハラの定義|パワハラ基本情報|あかるい職場応援団 -職場のパワーハラスメント(パワハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト-
法務省は次のように定義しています。
パワハラは、法令上は明確に定義されていません。何がパワハラなのか、 いまだ不明確な部分もあります。しかし、一般的には「職場内での地位や 権限を利用したいじめ」を指し、「職権などの優位にある権限を背景に、 本来の業務範囲を超え、継続的に、相手の人格と尊厳を侵害する言動を 行い、就労環境を悪化させる、あるいは雇用不安を与えること」などと言 われることもあります。
なお、上記の定義の補足として、次のように書かれています。
●職権などの優位にある権限を背景に 職場内での上司としての権限等を利用した部下等に対する行為。パワハラは上 下関係だけでなく、同僚間や正社員と派遣社員などの間でも起こり得ます。
●本来の業務範囲を超え 企業や個人によっても考え方が異なりますが、客観的な視点から判断して明ら かに本来の業務範囲を超えている行為。
●継続的に 1~2回の言動でもパワハラに相当することもあり得ますが、通常は執ように繰 り返すことがパワハラの条件となります。
●相手の人格と尊厳を侵害する言動を行い 本人の意思や努力ではカバーできないことに対する非難や中傷。例えば、身体 的特徴、性別、学歴、家柄、生い立ちなど。
●就労環境を悪化させるあるいは雇用不安を与える 上司等の不適切な言動は、職場内に不必要な緊張感を持たせたり、通常の職務 の遂行を妨げることになります。
【3】厚労省と、法務省の定義の違い
厚労省と法務省の定義は、ほぼ同じです。
ですが、法務省の定義には「継続的に」というものが入っています。
逆から言えば、原則としては、継続性がなければパワハラとは言えないという立場です。
【4】行政の定義に沿って、主張する
行政は各自に定義を出していますので、行政に動いてほしいときはそれぞれの定義に該当することを示していく必要があります。ですから、法務省に対して、自分がパワハラで困っていると主張したいときは、継続性も主張する必要が出てくるのです。
パワハラの解決には、行政の後ろ盾が必須です。
行政を動かしたいときは、それぞれの行政が出しているパワハラの定義について、調べるようにしておきましょう。