パワハラと戦うと決めたら、しておいたほうがよいことがあります。
次の4つです。
(1)セーフティーネットを作る
(2)証拠を集める
(3)職場内で味方を作る
(4)専門家の助言を受ける。
退職に追い込まれるリスクがあるので、まずはそれに備えましょう。
その上で、専門家の助言を受けながら、証拠と味方を増やしていきます。
【1】セーフティーネットを作る
まずはセーフティーネットを作りましょう。
退職することになっても困らないように、準備をします。
具体的には(1)転職活動、(2)副業のどちらかを行ってください。
転職活動をする場合は、まず転職サイト、転職エージェントへの登録を行います。
何かしらの理由で転職ができない場合、副業を始めましょう。
転職活動も、副業も、どちらも簡単にはうまく行かないでしょう。
だからこそ、早めに取り掛かっておくのです。
パワハラと戦い、負けた場合には動く気力がなくなります。
動ける間に、負けた場合に備えた準備はしておくべきです。
【2】証拠を集める
セーフティーネットを作りながら、証拠を集めましょう。
被害メモと、録音・録画があるのが理想です。
まずは自分が受けている被害を、メモしましょう。
被害メモの取り方については、下記のステップメールで詳しく説明しています。
三國 雅洋 【無料・動画講座】「パワハラ脱出プロジェクト」のすべて
さらに、録音・録画を取りましょう。
「録音・録画だけでよいのでは?」と思う人が多いのですが、録音・録画だけでは足りません。
一般的に録音・録画は、大量になります。
その中からパワハラ言動を探し出すのは、困難を極めます。
被害メモで日時と概要を確認できなければ、録音・録画の該当場所を探し出すことさえできなくなるのです。
ですから、被害メモと、録音・録画の両方を作りましょう。
【3】職場内で味方を作る
セーフティーネット作り、証拠作りと並行して、職場内で味方を作りましょう。
パワハラを耐えれば耐えるほど、孤立させられていきます。
それを防ぐために、味方作りは必要です。
今日から、味方作りに取り掛かってください。
次の順番で行っていきます。
(1)味方候補を探す
(2)お願い・依頼をする
(3)お礼をする
最初に、味方となってくれそうな人を職場内で探します。
職場内にいなければ、会社内で探しましょう。
そして、その人に何か簡単なお願いごと、依頼をしてみてください。
お願い・依頼は、人と仲良くなるきっかけとして優れています。
ただし、相手にとって負担にならない程度のものにしましょう。
一番よいのは、その人の好きなことについて、教えてもらうことです。相手が映画好きなら、お勧めの映画を尋ねてみてください。相手が本好きなら、お勧めの本を尋ねてみます。
お願いごと、依頼をしてもらったら、そのお礼を何か返しましょう。映画をお勧めされたなら、それを見た感想を伝えたりしましょう。自動販売機でジュースを御馳走するようなことでも大丈夫です。
お願いをして、お礼をするという一連の流れで、少しずつお互いの信頼関係ができてきます。
職場内で味方が多ければ多いほど、あなたも精神的に安定しやすくなります。
【4】専門家の助言を受ける。
証拠が集まってきた段階で、専門家の助言を受けましょう。
パワハラ問題は複雑な問題です。
解決するには法律・心理・経済の3側面の専門知識が必要となります。
専門知識や専門技術は、専門家の助言を受けるのが間違いありません。
次のところに、相談をしてみましょう。
(1)労働局
(2)法律家
(3)心療内科・精神科
まずは労働局に電話をしてみてください。
そして、パワハラに関する相談をしたいと伝えましょう。
そのまま電話相談を受けてくれるところもありますし、労働局に出向いて相談をすることになる場合もあります。これは法律家に相談をする場合でも同じです。
相談する場合の基本は「事実は文書で説明すること」です。
事実は文書で説明をします。文書で説明がしきれない部分だけを口頭で補足説明するようにしましょう。
ですから、出向いて相談をする場合には、被害メモと録音・録画はすべて持参しましょう。
そして、被害メモをすべて見せながら、口頭で補足説明を行うようにしてください。
パワハラにより心身の不調が出てきている場合は、心療内科にも行っておきましょう。
パワハラで悩み、困っていたことの証明材料としても、役立てることができます。
そして、何より心身の状態を整えやすくなります。
診断書を取ることができれば、休暇も得やすくなります。
できる限り早く、一度は受診しておいたほうがよいです。
【5】パワハラと戦うのは、決して簡単ではない
これまでお伝えしてきたとおり、パワハラと戦うのは決して簡単なことではありません。
退職に追い込まれるリスクがあるため、それに備える必要があります。
最終手段である法的手段を取るために、証拠集めも必要です。
職場内での地位を回復するために、味方作りも必要となります。
これらを行っていくために、専門家の助言も受けた方がいい。
決して簡単に実行できることではありません。
ですが、耐え続けるだけでは、パワハラはエスカレートします。
そして、耐え続けると、心身の不調が酷くなり、まったく動けなくなります。いわゆるうつになることもあれば、パニック障害になることもあります。
動ける間に動いたほうがよいのです。
ただ、1人で動くのは決して簡単なことではないでしょう。
ですから、専門家のサポートを受けてください。
専門家の支えを得ながらであれば、動き続けることができます。
たった1人でも絶対的な味方がいれば、動き続けられるものです。
パワハラと戦うと決めたのであれば、専門家のサポートを受けて、戦略を練り、適切に動いていきましょう。