パワハラ・職場いじめを受けていて、
それに対して、何をすればよいのかは分かっているのに、
まったく行動に移せないときがあります。
たとえば、被害メモを取ればよいと分かっているのに、
さまざまな理由をつけて、被害メモを取ることをしなかったりします。
副業に向けての行動を起こすべきだと、
頭の中ではわかっていながら、
本を読むことさえしないときがあります。
【1】快適領域は、人を縛る
コーチングは、快適領域という言葉を生み出しました。
英語ではcomfort zoneと言います。
無意識にとって快適であるため、
無意識が維持しようとする範囲のことです。
たとえば、偏差値がずっと50のA君にとって、
平均点を取ることは快適なことです。
ですから、無意識はこれを維持しようとします。
偏差値がぐっと下がって40になったりすると、
無意識は自然と50に戻るようにしようとします。
つまりは、自然と勉強をするようになる。
一方で、偏差値60に上がった場合でも、
無意識は50に戻ろうとしてしまう。
快適領域は、プラスにもマイナスにも働きます。
ただ、その領域の範囲内に収まるようにするのです。
これは悪いことを言えば、快適領域は
人を縛るものでもあるのです。
【2】「自分らしさ」が快適領域を作る
実用的な話をすれば、快適領域自体を変えないと、
現状を変えることはできないということです。
偏差値を50から60に上げたいなら、
60を快適領域にしなければならないということ。
パワハラ職場から脱出したいなら、
脱出した状態を、
快適領域にしなければならないということです。
では、どうやったら快適領域は変わるのでしょうか。
それを一言で言うと、「自分らしさ」を変えることです。
そもそも快適領域とは、
「自分らしい」状態でいられる空間のこと。
それは、
自宅のような物理的な空間かもしれませんし、
趣味に没頭しているときのような頭の中の空間かもしれません。
いずれにしても、
その空間の中では「自分らしい」と思えるから、快適なのです。
ですから、「自分らしい」という自己概念を変えると、
快適領域も変わります。
【3】まず、自分が没頭できることをなんでもしてみる
「自分らしい」を変えるには、
さまざまな心理テクニックがあります。
しかし、そのテクニックを使うよりも、
今あなたにしていただきたいことは、
なんでもよいので、「want to(~したい)」と思うことを、してみること。
- 昔から将棋をやってみたいと思っていたなら、将棋をやってみる。
- 一度、ナンパしてみたいと思っていたなら、やってみる。
- ボランティア活動をやってみたいと思っていたなら、やってみる。
- プログラミングに興味があるなら、やってみる。
- ブログを書いてみたいと思ったならやってみる。
なんでもよいので、「want to」を全部、やってみるのです。
もちろん、あなたが許容できる損失の範囲内で。
【4】「自分らしさ」は、思い込みで作られている
やってみたいことをしてみることで、
いかに自分が、
自分のことを知らないかが実感できます。
心理学の実験でも証明されていますが、
人はそれほど自分のことを理解しているわけではありません。
それなのに「自分はこういう人だ」という自己イメージで、
自分を縛っているわけです。
ですから、まずは自分らしさを忘れるようなことをする。
すると、自分らしさは、自分が勝手に作り上げていたと、
実感しやすくなります。
もちろん、これをしたからとって
自己イメージを変わる保障はありません。
むろん、パワハラから脱出できる自分を思い描けるようになるとも
限りません。
ですが、何もできずに留まっているよりはマシなはずです。
純粋に、自分が楽しいことをできますし、
その結果、自分についての
新しい発見があるかもしれません。
また、もしかしたら
新しい資源(専門知識、スキルや人脈)が手に入るかもしれません。
その場にとどまっても、何もよいことはありません。
あなたが達成したいゴールに向かって、
それが優先順位の高いゴールでなくても、
そのゴールに向かって現状を変えていくことが大切です。
【5】ゴールに向かって、行動を起こし続ける
あなたのゴール、目的地はなんでしょうか?
もちろん、今、お話ししているゴールというのは、
「あなたが達成したいと思うこと」です。
ただ、パワハラ職場を脱出することは、
あなたのゴールではありません。
それでは、昔のあなたに戻るだけです。
あなたが本当に達成したいと思うものに向かって、
行動を起こしてみてください。
そうすることで、あなたが今まで
気付かなかったことにどんどん気づけるようになります。
また、自信も取り戻すことができるようになります。
留まっていては何も変わりません。
許容損失の範囲内で、向かえるゴールに向かいましょう。
あなたができる範囲で、したいことで、できることを、
何でも全部、同時にやってみてください。
あなたならできます。