解決策は、全部同時に並列的に実行しましょう。
目的地を設定し、許容損失を設定して、
そこから解決策を出したのなら、
全部同時に実行していくのです。
【1】取りうる解決策は、いろいろある。
パワハラ問題への対処法は、さまざまあります。
そして、それらの対処法は、並列的に実行可能なものです。
たとえば、誰でもできるはずのこととして、
次のような解決策があります。
- 被害メモを取る。
- 加害行為の状況を、ボイスレコーダーで録音する。
- 診断書を取る。
- 労働局に相談する。
- 人権擁護委員会に相談する。
- 法律家に相談する。
- セルフカウンセリングを行う。
- セルフコーチングを行う。
- 転職サイトに登録する。
- 転職エージェントに登録する。
- 副業を始める。
あなたには、できることは全部実行してほしいのです。
全部実行するからこそ、効果が出やすいのです。
【2】同時に実行するから、相乗効果が生まれる。
たとえば、被害メモやボイスレコーダーがあるからこそ、
行政に相談をしやすくなりますし、
相談をしたときに味方となってもらいやすくなります。
また、行政に相談するからこそ、
どんな証拠が必要とされるのかが実感としてわかるのです。
副業を始めてみることが「こんなところにいたくない!」という思いを強くし、
行動を起こすモチベーションを高めてくれます。
また、職場の外の世界こそが正常であると分かるので、
今の自分が置かれている状態に対して、
「これは異常だ」と思えるようになるのです。
診断書を取りに病院に行くことで、
自分が置かれている状況を客観的に観ることができますし、
法律家にも相談がしやすくなります。
医師、法律家、行政などを助力を得ることで、
自分は正しいという自己肯定感が取り戻せます。
これがまた、副業に対するモチベーションにつながります。
すべての行動が、相乗効果を生み出して、解決に導いてくれるのです。
【3】今できることを、全部同時に実行する。
あなたが置かれている状況がどんなものであっても、
必ず何かしら実行できる解決策があります。
まずは解決策を書き出しましょう。
書き出すことが、また別の解決策のアイデアともなります。
大切なことは、いま、できることを全部実行すること。
解決策を書き出してみることも、その中の1つです。
もちろん、解決策を書き出す気力さえもないときは、
私のような専門家のサポートを得るほうがいいかもしれません。
でも、それであっても大切なことは、できることを実行すること。
それも1つ1つ実行するのではなくて、全部実行することです。
何もできないというのは思い込みです。
一度、紙に書き出すところから始めてみましょう。
【4】解決策がどうしてもないなら
もし、それでも解決策が何もないと思っているなら、
間違いなくそこには、思い込みがあります。
思い込みというのは、
事実でないことを事実だと仮定した状態です。
ですから、仮定や前提を見直すことで、
思い込みを排除することもできます。
たとえば、会社のハラスメント対策室に相談したら、
パワハラがひどくなるのではないかと、
考えているとします。
しかし、それは本当に高い確率で生じうることでしょうか。
中小企業ならともかく、
ハラスメント対策室があるような企業で、
ハラスメントの相談をしたことに対しての報復をすれば、
社会的問題となります。
ですから、常識的に考えれば、報復的なパワハラはできないはずです。
そして、もし本当に報復が怖いのであれば、
先に労働局に相談に行っておけば、保険ができます。
つまり、何かあった時に報復行動であることを、労働局に訴え、
指導してもらいやすくなるわけです。
ハラスメント対策をしている通常の会社であれば、
ハラスメントへの報復行為は、禁止していますし、
むしろ処分の対象となると明記しているはずです。
会社としても、パワハラ行為を繰り返すような人を
庇(かば)いたくはないのですから、
堂々と利用すればよいのです。
もちろん、すべての会社において、
被害者の味方をしてくれるわけでもありません。
ですが、最初からまったく役に立たないと考えるのは、
思い込みである可能性が高い。
諦めないでください。
諦めるのは、できることを全部やったあとです。
そして、何もできることがないと思っているなら、
必ず何かしらの思い込みがあります。
ですから、その思い込みに気づくためにも、
まずは解決策を書き出してみましょう。