「無理難題」は、定義上、パワハラに該当するか?

パワハラは、法律上、定義されたものではありません。

行政が、それぞれ独自に定義を出しています。

たとえば、厚生労働省や法務局、教育委員会は、それぞれ別のパワハラの定義があるのです。

その中でも、多くの人が関係するのは、厚労省の定義です。

なぜなら、一般企業に勤める人のパワハラの相談先が、厚労省の労働局だからです。

 

では、この厚労省の定義で、「無理難題を与えること」はパワハラに該当するのでしょうか。

Working HardCreative Commons License Exile on Ontario St via Compfight

【1】厚労省のパワハラの定義

厚労省のパワハラの定義は、次のとおりです。

職場のパワーハラスメントとは

職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。

https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/definition/about

次の要件を満たすものが、パワハラと認定されます。

  1. 同じ職場で働く者に対する行為であること
  2. 職場内での優位性を背景にした行為であること
  3. 業務の適正な範囲を超えた行為であること
  4. 精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為であること

 

たとえば、営業課の上司が、部下に対して、毎日300件の飛び込み営業をかけるように言ったとします。

それが、パワハラに当てはまるかどうかは、上記の定義に当てはめて考えるのです。

まず、同じ職場に対する行為であるのは間違いありません。

上司という、職場内での優位性を背景にしているのも、認められるでしょう。

ただ、問題は次の2つです。

業務の適正を超えているか、精神的・身体的苦痛を与えているか又は職場環境を悪化させる行為と言えるかです。

 

【2】「無理難題」は、「過大な要求」に当たる可能性がある

上記のとおり、「無理難題」は必ずしも「パワハラ」に該当するとは限りません。

業務の適正な範囲を超えているか、苦痛または職場環境を悪化させる行為と言えるか、という点で、より具体的な状況を考慮する必要があるからです。

ですが、1日の営業ノルマ300件というのは、通常、パワハラに該当するでしょう。

 

「過大な要求」という類型のパワハラの典型例の1つに当てはまるからです。

「過大な要求」とは、次のようなものです。

 

 

過大な要求

遂行不可能な業務を押し付けるパワハラ

過大な要求
出向先企業でとても一晩では処理しきれない量の業務を命ぜられた・・・出向先は、重要な取引先でもあり、とても断ることができずに毎晩徹夜をしている状況である・・・(具体的事例)

業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害があった場合、「過大な要求」型のパワハラに当たることがあります。一人一人の業務量は会社やその部署の業務量によっても異なるので、単に仕事の量が多いというだけではパワハラとは言えませんが、例えば、業務上の些細なミスについて見せしめ的・懲罰的に就業規則の書き写しや始末書の提出を求めたり、能力や経験を超える無理な指示で他の社員よりも著しく多い業務量を課したりすることは、「過大な要求」型のパワハラに該当することがあります。

https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/pawahara-six-types/type4

上記に書いてあるとおり、単に仕事量が多いことを持って、パワハラとは言えません。

しかし、明らかに「無理難題」と呼べるものを押し付ける行為は、パワハラと言ってよいのです。

 

【3】「過大な要求」への対処法

「過大な要求」のパワハラを受けている場合は、必ずその証拠を取るようにしましょう。

被害メモと、ボイスレコーダーでの録音を試みます。

また、実際にあなたが背負わされた事務量が分かるような、写真などがあると分かりやすいです。

先ほどの営業の例で言えば、実際にあなたが1日で回った訪問先の写真などがあるとよいです。

 

また、多くの場合、「過大な要求」は残業となります。

あなたが残業した日付なども記録に残しておきましょう。

あとであなたが、過大な要求を受けたことの証拠となる場合があります。

 

 

「過大な要求」は、長時間労働ともつながりやすく、そうなると専門家への相談も難しくなります。

そうするとさらに脱出が難しくなり、どんどん追い詰められてしまうのです。

できるだけ早く専門家に相談することをおすすめします。

 

メール相談など受けつけてくれる専門家も多くいますから、諦めずに探してみましょう。

 

 

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三國 雅洋 について

パワハラ問題解決の専門家 行政書士・プロフェッショナルコーチ・元医療法人理事 法律・心理・経済の専門知識を使って、パワハラ問題を総合解決へと導く日本唯一の専門家
カテゴリー: 職場いじめ・嫌がらせ・パワハラを克服する パーマリンク

「無理難題」は、定義上、パワハラに該当するか? への1件のフィードバック

  1. ヨシ のコメント:

    うちの会社の上司もパワハラです。
    全社規定があるにもかかわらず自分で規程を作って威張っています。
    そんなことについては行けません。対抗すると集中的に私をせめて
    来ます。レッテルを貼られてしまっているだけに孤立しています。
    7カ月の休職期間にも忘れることができずに復帰したものの
    まだ精神状態が不安定です。ブログで発散しています。

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