パワハラ問題に取り組んでくれる行政機関は、労働局だけではありません。
法務局の人権擁護機関も、パワハラ問題を取り扱ってくれます。
人権擁護委員という人々が、パワハラ相談に乗ってくれるのです。
【1】人権擁護委員は、法務局が管轄している。
人権擁護委員は、法務大臣から嘱託を受けた民間のボランティアです。
当然、法務局が管轄しています。
人権擁護法に基づきます。
下は、人権擁護法の一部です。
《市町村長は、法務大臣に対し、当該市町村の議会の議員の選挙権を有する住民で、人格識見高く、広く社会の実情に通じ、人権擁護について理解のある社会事業家、教育者、報道新聞の業務に携わる者等及び弁護士会その他婦人、労働者、青年等の団体であつて直接間接に人権の擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員の中から、その市町村の議会の意見を聞いて、人権擁護委員の候補者を推薦しなければならない。》
簡単に言えば、人権擁護委員とは、人権を擁護する活動に関わる人たちの中から選ばれた、社会的に高い地位にあるような人達です。
人権擁護委員は、公務員ではありません。
それは人権擁護法に詳しく書かれています。
しかし、単なる民間ボランティアでもありません。
【2】法務局と関わりがある人は少ない。
労基署、労働局とは、仕事の関係でつながりがある人は多いでしょう。
しかし、法務局と関わりがある人は少ないはずです。
これはつまり、経営者にとっても、法務局というのは、得体が知れないものだということです。
労働局に対しては強気に出る人がいたとしても、法務局に対して強気に出られる人は、それほどいないということです。
その点で、加害者や会社に対して、暗黙のプレッシャーを与えやすいという面があります。
【3】ただし、民間のボランティアであることは間違いない
しかし、人権擁護委員は民間のボランティアです。
通常、人権擁護委員の一人は弁護士ですが、その他の人は問題解決のプロではありません。
問題調整の方法も身に付けているとは限らないのです。
担当してくれた方によって、大きく対応が異なることも我慢しなければなりません。
ですが、労働局がまったくあてにならない場合や、労働局による二次被害などがあった場合は、こちらに動いてもらうしかないのが現状です。
また、人権擁護委員の一人一人の対応がどうであれ、「法務局の人権擁護委員に相談した」と言うことによって、相手方にプレッシャーを与えられるのはたしかです。
【4】人権相談をしてみよう
人権相談は、インターネットでも可能です。
ですから、一度、メールで相談申込をしてみてください。
相談申込だけでもしておけば、「相談申込をした」という事実が増えます。
この一歩が、あとで大きく影響してきますから、ぜひ行動を起こしてください。
【実践編】
1 法務省人権擁護局にアクセスしましょう。
2 相談申込をしましょう。