コーチングに、「コンフォートゾーン」と呼ばれる概念があります。
日本語で言えば「快適空間」という意味です。
このコンフォートゾーンの働きを知っておくことは、パワハラから脱出するためには必須です。
【1】コンフォートゾーンとは何か
コンフォートゾーンとは、恒常性が保たれる空間のことです。
反対から言えば、その空間の外に出ると、元に戻すような力が働きます。
たとえば、加害者の嫌味に対して、反論をしようとしたとき躊躇するなら、「反論しないこと」がコンフォートゾーンになっています。
会社を辞めようとすると、「辞めないほうがよいのではないか」と心の中で思うなら、「会社にい続ける」がコンフォート・ゾーンになっています。
副業のための行動が一番大切だと思いながらも、別の用事を優先してしまっているなら「副業をすること」はコンフォートゾーンではないのです。
コンフォートゾーンとは、「自分らしく」いられる範囲とも言えます。
もしあなたが、嫌味や悪口に反論せず、会社を辞めることもせず、副業もしないなら、それが「自分らしい」と思っているからということになります。
【2】コンフォートゾーンを変えないと、元に戻る
コンフォートゾーンの外側に出ても、自然と元に戻されます。
「会社に行きたくない」と思いつつも、会社がコンフォートゾーンなら行ってしまいます。
「転職をしたい」と思っていても、現在の会社がコンフォートゾーンなら、転職サイトや転職エージェントへの登録をすることさえしません。
そして、転職がうまく行きそうになったとしても、面接に行けなくなったりします。
コンフォートゾーンは、戻るべき先です。
ですから、コンフォートゾーンを変えないと、そこに戻されてしまうのです。
【3】コンフォートゾーンの変え方
コンフォートゾーンを作っているのは、「臨場感」です。
今、あなたがリアルに感じている世界が、コンフォートゾーンとなります。
言いかえれば、会社にいて「こんなところにいるなんて、自分らしくない」と思えるようになったら、自然とその会社から離れるようになります。
今の会社にいる自分が、リアルではなくなった結果、コンフォートゾーンから外れたのです。
同様に、転職情報を見ていて、転職している自分がリアルに感じられたら、そこがコンフォートゾーンになりつつあります。
大切なものは「臨場感」、つまりは「リアルな感じ」です。
自分にとっての「リアル」を変えることによって、そこに「戻されるようになる」のです。
ですから、あなたにとって必要なことは、自分が望む「リアル」をまず決めることです。
あなたが、加害者に土下座させていることを望むなら、それを「リアル」にすると決める。
そして、その「臨場感」、「リアル感」を上げていくのです。
そうすると、脳は自然と、その「リアル」に戻ろうとします。
【4】望む状態をリアルにする
もしあなたが、加害者に対してもっと強気に対応をしたいなら、その状況をどんどん「リアル」にすればいいのです。
そうするのが当然であると思うまでリアルにすれば、自然とそのような行動が取れるようになります。
その行動をするのが、「自分らしい」と思えれば、そうするものです。
だからこそ、加害者は、加害行為を平気でするのです。
加害者にとっては、加害行為が「自分らしい」ことであることを、忘れてはいけません。
望む状況を「リアル」にするためには、どうすればよいでしょうか。
そのためのリスクのない方法の1つが、「ビジュアライゼーション」です。
これは、簡単に言えば、頭の中でのシミュレーション、訓練のことです。
たとえば、加害者から悪口を言われたときに、「今のはパワハラですよ」と言う様子を頭の中で、何度もシミュレーションをします。
もちろん、全く同じ状況を設定してシミュレーションをするのではありません。
考えられる状況をいくつも設定して、その中で言っていく訓練をするのです。
【5】さまざまな状況を設定する
加害者が遠くで悪口を言ったときは、近づいて言うようなシミュレーションが必要でしょう。
加害者がいきなり悪口を言ってきて、その場で言えなかったときについても必要でしょう。
メールで送ってきた場合も、必要でしょう。
「パワハラだ」と言ったあと、「被害妄想だ」と言い返された場合についても、必要でしょう。
自分が「リアル」だと信じられる状況をいくつも設定して、シミュレーションをするのです。
頭の中で、数回イメージしただけで、できるはずがありません。
ちゃんとした、地道な日々の訓練が必要です。
しかし、これをすべてのことにやっている時間などありません。
ですから、あなたがもっとも望む状況を1つ選んで、その状況をイメージするようにします。
別の会社で働いている様子をイメージしたり、副業をどんどん行っている様子をイメージする。
それをすれば、そのために必要な付随するものは、自然と行えるようになります。
【6】空想では意味がない
ですから、あなたが望む状況をどんどん頭の中で「リアル」にしましょう。
空想にするのではありません。
空想は脳にとって「リアル」ではありません。
ですから、そこがコンフォートゾーンになることもありません。
リアルにするというのは、実際に起こっていると思えることです。
つまりは臨場感です。
たとえば、副業をしているなら、あなたはブログを書いているかもしれません。
そのような状況をイメージするのです。
脳にとってそれが「リアル」となれば、そこが「コンフォートゾーン」となります。
そして、自然とそこに戻されるようになるのです。
逆にいえば、もしあなたが辛い状況から逃れられないとしたら、今の状況が「コンフォートゾーン」になっていないかどうかを確認しましょう。
自分にはこれがお似合いだと思っていないでしょうか。
自分にとって辛い状況がリアルだと思っていないでしょうか。
そのような考えは、あなたを現状に縛り付けるだけです。
あなたは、そのような場所にいるべき人ではありません。
あなたは、もっともっと価値を認められるべき人です。
もっともっとよい職場で、もっともっとあなたの能力を発揮しているべきです。
ですから、パワハラを受けている現状を、仕方ないものだと捉えないでください。
むしろ、「なぜこんなところにいるんだろう」と疑問を持つぐらいにしてください。
そうすれば、必ずその状況から抜け出せます。
もし、そうは行っても自分一人では、なかなかイメージがリアルにならないときは、コーチを雇いましょう。
それができるのがコーチです。
もし、コーチングに興味があれば、こちらのメール相談をまずはご利用ください。
実際に合って行うものとは全く違いますが、それでもイメージはつかんでいただけるでしょう。