「パワハラを労働局に相談したけれども、何も役に立たなかった」
このような声を聴くことは多いです。
ですが、労働局など行政を後ろ盾にすることは必須です。
【1】労働局だからこそ、会社に心理的プレッシャーを与えられる
パワハラ問題について、あなたが、弁護士やユニオンに交渉を依頼したとしましょう。
すると、会社も、ほぼ間違いなく弁護士を立ててきます。
そうなると、会社は何も恐れることはありません。
最終的には「金銭的解決」に落ち着くことになるのが、分かるからです。
民事的な法的解決というのは、最終的には金銭を払えば済むのです。
損害賠償をする覚悟があるなら、契約を解除してもよいとするのが、民法です。
【2】会社が最も大切にしたいのは、社会的信用
会社、組織がもっとも大切にするのは、社会的信用です。
ですから、会社に対して改善を求めていくなら、この点を責めなくてはいけません。
別の言い方をすれば、「放置すると社会的信用を失いますよ」と思わせなければなりません。
そうしなければ、会社は加害者に対しても、厳しく接したりはしません。
この、社会的信用に対する働きかけで役立つのが、行政なのです。
【3】行政にできることは限られてはいるが・・・
労働局がパワハラに対してできることは、かなり限定されています。
簡単に言えば、労基法に違反しない限りは、「指導」ができるだけです。
「パワハラに該当する可能性がありますので、改善してください」という指導をするだけです。
ですが、これは行政からの指導である点で、会社は無視できないのです。
行政相手に、弁護士を入れて交渉をするわけにもいきません。
交渉しようにも、交渉しようがないのです。
行政は、交渉に応じてはくれないからです。
だからこそ、会社や組織に対する心理的プレッシャーとなります。
会社を動かす力を持つのは、法律家ではなくて、行政です。
ただ、法律家は行政を動かす力を持っていることが多いので、法律家のサポートは必要かもしれません。
いずれにしても、パワハラと戦うときに行政の後ろ盾は必須です。
行政は確かに何もしてくれないかもしれませんが、うまく使えばとても心強い味方です。
ぜひ上手に使って、戦っていきましょう。
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