パワハラに対して「パワハラで訴えればいい」という人がいます。
しかし、それは本当に解決に結びつくのでしょうか?
【1】パワハラの法的責任
パワハラに対して、法的責任を負うのは会社と加害者です。
会社は安全配慮義務に基づく債務不履行責任を負うとされ、加害者は被害者に対して不法行為責任を負うとされます。
しかし、在職中にこれらの法的責任追及ができる人が、どれだけいるでしょうか?
【2】退職に追い込まれるリスク
現実的に考えたときに、在職中パワハラに対して法的責任を追及するのは、あまりにも無謀です。
法的手段を取るなら、退職へと追い込まれるリスクは考えておかなければなりません。中小企業なら、なおさらです。
【3】在職中に法的責任追及は、非現実的
パワハラを主張した従業員を退職に追い込むのは、倫理的にも法的にも問題はあります。
しかし、現実世界はそのような形式上のルールでは動いてくれません。
解決策は、現実を踏まえたものでなければなりません。在職中に法的手段を取る場合は、自分が退職に追い込まれることを覚悟して行わなければなりませんが、その覚悟が持てるのであれば、ご自身で動いたほうが早く解決できると思うのは、私だけではないでしょう。
【4】内容証明郵便の是非
「内容証明郵便を出すのがよい」という法律家もいますが、私はとっても疑問です。
パワハラ問題で、内容証明郵便を出す相手は、会社または加害者(達)です。
会社に対して内容証明郵便を出したら、まず間違いなく退職に追い込まれます。
加害者に対して出したら、まず間違いなくパワハラが、水面下で行われるようになります。
どっちにしても、いいことなんてありませんよ。
パワハラに対して、内容証明郵便を使うことの是非について、もう1つだけ書いておきます。
内容証明郵便を送れば、まず間違いなく相手方は代理人を付けることになります。つまり、法的紛争となります。
これが意味するのは、最低でも6ヶ月ほどは解決しないということです。
法的紛争は解決に時間が掛かります。言い換えると、時間的余裕がある人でないと法的紛争はできないのです。
パワハラを受けている状態で、そんな余裕なんてありません。
【5】法的紛争は、期待値の低いギャンブル
その上で、どのような結果になるかは分かりません。
法的紛争に持ち込むのは、ギャンブルと変わらないと私は思っています。
パワハラ被害の証明は、簡単ではないとされています。そのため期待値としては低いギャンブルです。
【6】現実を踏まえた解決策
パワハラに対して戦っていくとき、在職中は法的手段は最終手段と考えてください。
大切なことはパワハラの加害行為をストップさせることであり、そのための手段としてわざわざ法的手段を取る必要はありません。
もっとリスクが少なくてできる方法はいくらでもあるのです。
まずは、それらの手段を実行に移してみてください。
なお、具体的な解決手段については、下記の無料の動画講座で詳しくご説明しています。
在職中に法的な争いを避けながら勤務していたにもかかわらず、更に会社が違法な形での要求をしてきた場合はどうでしょうか。あまり膿がたまらないうちに出すものは出して浄化しないと結果労働者が泣きを見るケースもあると思います。
特に喉元過ぎればの会社の場合は最初から法的根拠を提示しながら身を守ることも必要なのではと思います。
在職中に法的な争いを避けながら勤務していたにもかかわらず、更に会社が違法な形での要求をしてきた場合はどうでしょうか。あまり膿がたまらないうちに出すものは出して浄化しないと結果労働者が泣きを見るケースもあると思います。
特に喉元過ぎればの会社の場合は最初から法的根拠を提示しながら身を守ることも必要なのではと思います。