パワハラにおいて「上司に相談したが何もしてくれなかった」は、日本全国で起きている現象ですが、上司に相談したからこそ社内窓口に相談しやすくなります。
できることを1つすることが、次にできることを増やしてくれます。— 三國雅洋:パワハラ解決コンサルタント (@artof_challenge) April 24, 2018
パワハラの相談を受けて、適切に行動できる上司は、ごくわずかです。ほぼすべての上司は、ただあなたの話を聞くだけで、実際には何も行動を起こしてはくれません。
だから言って、上司に相談することは無意味ではありません。
上司に相談したという事実があるからこそ、社内の相談窓口にも行きやすくなります。
そして、社内の相談窓口に行ったからこそ、社外の相談窓口にも行きやすくなります。
あなたの行動は、次の行動を行うためのきっかけを作ってくれるのです。
あなたには、あなたが現時点でできることを、実行に移してほしい。
よりよい方法を探して「どうすれば?」と悩むよりも、今できる小さいことを実行に移すことで、次の選択肢が見えてくるからです。
【1】ほぼすべての上司は、ハラスメント対策の素人
ほぼすべての上司は、ハラスメント対策については素人です。
被害者にどのように対応するべきか、加害者にどのように対応するべきかは、まったく知りません。
職場内の人間関係のトラブル対処については、素人なのです。
ですから、「上司に相談しても、何も意味がなかった」ということが、日本全国で頻出するのです。
【2】上司に相談するのは、次の行動へのステップ
ハラスメントを上司が解決してくれることは、ほとんど期待できません。
しかし、相談すること自体はとても大切なことです。
もし上司が解決に乗り出してくれたら、仲間が増えます。
もし解決に乗り出してくれなくても、その上の上司に相談したり、社内の相談窓口に相談しやすくなります。
「上司に相談した」という事実が、次の行動のステップを切り開いてくれるのです。
これが、とても大切なことなんです。
【3】社外に相談する前に、社内で相談する
労働局などの社外の相談窓口を利用した場合でも、「社内で誰かに相談したか」と通常は質問されます。
そして、そのときに社内で相談した事実がない場合は、「社内で相談してみてください」と言われて帰されることになる場合もあります。
たとえ上司が動いてくれなくても、上司に相談しておくことで、この無駄足を取り除けます。
これはつまり、パワハラ解決までの期間が短くなるということです。
【4】行動が次の行動のステップになる
パワハラは、解決に向けての行動が難しいものです。
行動を起こすことによって、さらにパワハラが酷くなるのではないかというリスクや恐怖もあります。
ですから、なかなか動けないのは仕方がないことです。
ただ、パワハラは放置すれば解決するものではありません。むしろ、エスカレートします。
ですから、できるだけ早く動き始めたほうがよいのです。
もちろん、あなたが現時点でできることは、それほど多くはないと思います。
しかし、あなたが行動を起こせば、それが次の行動に必ず役に立ちます。
あなたが行動を起こせば起こすほど、あなたが取り得る選択肢が増えるのです。
ですから、あなたが取っている行動がどれだけ小さくても、それは素晴らしいことです。
「相談しても意味がない」という思いが出てくるとは思いますし、二次被害のリスクもあります。
しかし、それでも行動できるのなら、行動に移しておいてほしいのです。
それが、今後のあなたの行動の選択肢の幅を広げてくれます。
あなたならできます。
どうか、無理をしない範囲でよいので、できることを実行に移してみてください。