パワハラ被害者にこそ、法律知識が必要です。
法律知識があることによって、「自分は間違ってはいない」と思えるからです。
精神状態を整えるために、法律知識が必要なのです。
【1】パワハラは心理戦
パワハラは心理戦です。
パワハラを法律上の戦いにすれば、被害者は勝ち目が少なくなります。
加害者はあなたに対して何かしらの優位性を持っています。
会社はあなたに対して、人事権という優位性を持っています。
法律上の戦いを挑めば、事実上、あなたは退職に追い込まれるのが現実です。
法律上の戦いを挑んではいけないのです。
心理戦だからこそ、勝ち目があります。
【2】法律知識が精神の安定に繋がる
心理戦で勝つためには、何よりも防御と回復の技術が重要です。
現時点で多くの攻撃を受けています。
そこからパワハラに勝つためには、まずダメージを少なくすること、ダメージからの回復を早くすることが重要となるのです。
このときに役立つのが法律知識です。
加害者の行為が民事上、または刑事上の責任追及をできる可能性があると知っていることで、自分を責めることが少なくなります。「私が悪いのではないか」という不安を消しやくなるのです。
被害者は「自分が悪い」、「自分に非がある」と考えがちですが、法律知識を持つことでその思い込みを取り除けるのです。
【3】労働法の知識があれば、思い込みを取り除ける
「退職できない」というご相談が、数ヶ月に一度のレベルですがあります。
労働法の知識があれば、これは法律上のご相談ではないことがわかります。
労働法上、労働者が退職できない場面というのは、ほとんどないからです。
労働者は、原則として、一方的な通知のみによって退職できます。
原則として、法律上、使用者の合意を得なくても、退職者は退職できるのです。
この場合、適法に退職ができるため、損害賠償などをする義務もありません。
【4】厚労省が無料でテキストを出している
厚生労働省は『知って役立つ労働法 -働くときに必要な基礎知識-』というテキストを出しています。
この1冊を読むだけで、労働法に関する基礎的に知識は身に付きます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouzenpan/index.html
『仕事を辞めるとき、辞めさせられるとき』という章もあり、ここを読めば先ほど私が書いた内容を詳しく知ることもできます。
無料でダウンロードできるので、ぜひ一度目を通しておいてほしいテキストです。
【5】法律知識は、行政または司法から学ぶ
法律知識は、必ず行政または司法の出しているものから学びましょう。
少なくとも、行政や司法が出している情報を根拠として示しているものだけを選ぶようにしてください。
行政機関や司法機関が出している情報でなければ、現実的には役に立たないからです。「○○先生の本にこのように書いてあった」と言っても、行政・司法が動くことはありません。
行政機関・司法機関が出している情報だからこそ、行政機関・司法機関が尊重するのです。一般人である法学者、弁護士、司法書士、社労士、行政書士など士業者の言葉に、その力はありません。
【6】行政機関が出している情報だからこそ、信頼できる
行政機関が出している情報だからこそ、あなたも安心ができるのです。
専門家から言われたことであっても、インターネットで検索すると、いくらでも反論が見つかります。
「労働契約は、経営者でもあっても自由には変更できない」と言っている社労士のHPを読んだことがあります。
これは労働契約の本質を分かっていない人が書いたものです。契約についての原則を知っている人なら、このような書き方は絶対にしません。労働契約は契約ですから、合意がなければ変更はできないのが原則です。労働者が一方的に解約ができるのは、特別に条文があるからです。契約の基本がわかっている人は「労働契約を変更するのは、双方の合意が必要です。」と書きます。
しかし、そのような知識がない人からすれば「経営者は労働契約を変更できる場合がある」という意味に取り間違えてしまうでしょう。
専門家であっても法律を分かっていない人は、いくらでもいるのです。
そして、そのような情報を信頼したときに損をするのは、あなたです。
【7】無料テキストを使って学ぼう
そうならないためには、法律知識は行政から学ぶのが一番です。
厚労省が比較的読みやすい形式で、テキストを無料で公開してくれています。
これを利用しない手はありません。
労働に関する法律を、網羅的に学ぶことができる優れたテキストです。
ぜひ一度、目を通してみてください。
『知って役立つ労働法 -働くときに必要な基礎知識-』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouzenpan/index.html
パワハラに関する法律知識も、下記のステップメールで説明しています。