パワハラを受けていると、通常は怒りが沸きます。
しかし、「自分に非がある」と思ってしまう人もいます。
自分の問題点を把握して、改善しようとするのは、とても素晴らしいことです。
ただ、それは危険信号かもしれません。
【1】自己責任だから耐えられる
自分に全く責任がないことの、責任を負うことは難しいのです。
自分がコントロールできないものに晒され続けると、抵抗することができなくなります。
これを心理学では、学習性無力感と呼びます。
無力であることを学習してしまうんです。
【2】「自分に非がある」は自己防衛のためかもしれない
反対に私達は、「自分に責任がある」と思えるから、辛いことにも耐えられます。
そのため私達は往々にして、辛いことを耐えるために「自分に責任がある」と思い込もうとします。
理不尽な苦しみに耐えることは辛いため、自己責任だと思い込もうとするのです。
【3】加担割合を考える
自分にも責任があると考えるのは、決して悪いことではありません。
しかし、100%の自己責任論は危険です。
100%自己責任論は、結果的に、「自分がすべてをコントロールしている」と考えることと同じであり、誇大妄想に近い考えです。
私達が現実の全てをコントロールすることはできません。
私達がコントロールできるのは、一部です。
そのため、私達が責任を負うことができるのも一部のみです。
パワハラ問題では加害者、被害者が中心となっていますが、被害者のみがそのパワハラ問題を引き起こしているわけではありません。
被害者がパワハラ問題を引き起こしている割合は、高く見積もっても2割です。
残りは、加害者や組織が責任を負うべきことです。
ある出来事が生じたときに、その出来事に自分がどれだけ加担をしているのかを考えるようにしてみてください。これは「加担割合」という交渉術の手法の1つです。
【4】自分の加担割合を認めつつ、理不尽にはNOと言おう
辛い現状に耐えるためには、ある程度は自分の非を認めることは大事です。
しかし、すべてを自分の責任とする必要はありません。
そして、全部を自己責任としてしまえば、改善できないことが出てきます。自分にはコントロールできないことまで、自分の責任だとしているからです。
自分の責任を一部は認めつつ、自分の責任ではない部分については相手方に責任を求めましょう。理不尽にはNOを言うようにしてください。
あなたは自分がコントロールできることについてのみ、責任を負えばよいのです。
加害者の行動は、あなたがコントロールできるものではありません。あなたが責任を負えるものではないのです。
「自分に非がある」、「自分に責任がある」と思うのはやめましょう。
「自分にも非がある」「自分にも、一部責任はある」のように現実的に考えるようにすることを、どうか忘れないでくださいね。