他者から低い評価を受け続ければ、誰でも自信を失いかけます。
他者からの言動を受け入れて、自己イメージを作っているからです。
また、人間は、他人の悪意や敵意に敏感に反応するようにできています。
ですから、無視することもできません。
そこで大切となってくるのが、自己イメージを高める心理テクニックです。
それは、セルフトークのコントロールと呼ばれる、スポーツでも使われる手法です。
【1】人は他者からの評価で、自己イメージを作る
人は、一般的に、他者からの言動を取り入れて、自己イメージを作っています。
我が子は、自分のことを「宇宙一カッコいい」と自称します。
これは当然、そのように私達両親が言い続けているからです。
Mr.Childrenの桜井さんは、姉から「天才じゃないの」と言われたことで、「本当に自分が天才だと思っちゃった」とインタビューで答えているそうです。
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このように他者から受ける言動に伴って、人は自己イメージを作ります。
「自分は○○な人間である」というイメージは、他人から受けた言動によって決まるのです。
【2】他人から低い評価を受け続けた場合
他人があなたがどのように扱うかによって、あなたの自己イメージが決まります。
ですから、他人から、”取るに足らない人間である”というような扱いを受けると、自己イメージは当然に下がります。
人間としてではなくて、モノのように扱われたら、自己イメージが下がって当然なのです。
スタンフォード監獄実験と呼ばれる、心理学の実験があります。
囚人のように扱われると、人は囚人のように振る舞うことを実証した実験です。
次のTEDは、その実験の最高監督者が行っているスピーチです。
動画を観れば、どれほど人が簡単に自己イメージを壊されるかが分かります。
【3】他人の敵意や悪意を無視はできない
「他人から何を言われても、言わせておけばいい。」
「そんなことを気にする必要はない。」
このように言う人もいます。
しかし、人はそのようにはできていません。
人間は耳を塞げるようにはできていません。
母親は、どれだけ深く眠っていても、子供が夜泣きをしたら目を覚まします。
脳が勝手に反応してしまうのです。
これと同じように悪意や害意についても、人間は反応するようにできています。
攻撃を示す表情や侮蔑の表情を見逃せば、命のかかわる危険性があるのです。
生物として、他人の悪意や害意については、より敏感に反応するように作られています。
ですから、無視すればよいというのは、無理な注文なのです。
【4】どのようにして自己イメージを保つか
他人からの悪意や敵意を無視することもできない。
また、そのような加害者から物理的に離れることもできない。
それならば、どうすればよいのでしょうか。
最も確実な方法は、反抗し続けることです。
これはもっとも確実に、加害行為を止めさせる方法です。
加害行為に対して即時にネガティブフィードバックを与え続ければ、その加害行為は止みます。
これは心理学的には強化原理の応用として説明ができますが、人間心理として当然のことでしょう。
しかし、反抗をすることが怖くてできないときはどうすればよいのでしょうか。
そのときにこそ、してほしいのがセルフトークのコントロールです。
セルフトークとは、心の中の声のことです。
文章を読むときや、映画館で映画を見ているとき、心の中で言葉に出さない言葉があるはずです。
それがセルフトークです。
このセルフトークには、面白い特徴があります。
それが、他人の言葉のようなインパクトを持つというものです。
他人から言葉で褒められるのと、心の中で自分を褒めるのは、同じような効果があるのです。
つまり、人は自分で、自分の自己イメージを作り上げることができるということです。
心の中で「私は○○な人間だ」という評価し続けることによって、そのような自己イメージを持てるということです。
自分を褒め続けることによって、高い自己イメージを保ち続けることができるということです。
他人から何を言われても、あなたがそう思わなければ「あの人がそう言っているだけだ。」とセルフトークをしましょう。
そして、「私は○○な人間だ」と心の中で言えばよいのです。
何かがうまく行ったときは、「さすが私だ」と心の中で褒めましょう。
心の中の声が、他人に知られることはありません。ですからノーリスクです。
もし何か失敗したときは、「私らしくない」とセルフトークをしましょう。
そして、「次はこうしよう。」とアクションプランも作ります。
つまり、何を「自分らしい」とするかを自分で決めて、それを「私らしい」と言えばよいのです。
会社を辞めたいと思っているなら、会社を辞めるための行動をとっている自分を「さすが私だ。」と心の中で褒めればよいのです。
反対に、会社を辞めるための行動をとっていないなら「私らしくない」と心の中で言えばいい。
すごく単純な方法ですが、スポーツでも取り入れられている方法の1つです。
他人から何を言われても、自己イメージを高く保つことができれば、学習性無力感に陥ることはありません。
つまり、行動によって状況を変える可能性が残されます。
ですから、いまあなたがどのような状況にあっても、自己イメージだけは高く保ってください。
自己イメージを高く保てば、必ず行動のチャンスが回ってきますし、そのチャンスをつかむこともできます。
どれだけ辛い状況であっても、セルフトークをコントロールして、自己イメージを高く保ってください。