退職できないジレンマを抱えている間、リラックスする技術は必須です。
リラックスすることによって、理性的になることができるからです。
リラックスできていない状態では仕事のパフォーマンスも下がり、さらにパワハラに遭う確率が高まってしまいます。
心理学的にリラックスに役立つ方法で、いつでもできるものは、3つあります。
1 深呼吸(1分間に4~6回)
2 身体の力を抜いていく
3 ポジティブな想像をする
自分が緊張状態にあると気づいたら、上記の3つを実践してください。
それによって、リラックス状態に近づけましょう。
【1】リラックスすることで自分の精神を守ることができる
自分の精神を守るために欠かせないのは、リラックスする技術です。
これは言い換えると、「闘争・逃走モード」から脱出するための技術です。
「闘争・逃走モード」は、交感神経優位状態であり、感情優位状態です。イノシシを追っかけたり、イノシシから逃げるためのモードです。
危機に陥ると、人間は感情優位状態である「闘争・逃走モード」に入ります。パワハラ被害に遭っている人は、通常「闘争・逃走モード」で職場を過ごしています。
この「闘争・逃走モード」は緊張状態であり、感情優位状態ですから、理性的な判断力が落ちています。あなたの心がむき出しになっている状態と捉えても構いません。
そのような状態ですから、パワハラ加害者からの否定的な言動も、真に受けやすくなります。「たしかに私が悪い」「たしかに私にも原因がある」と思い込みやすくなるのです。
自分の心がむき出しの状態で、加害行為を受ければダメージも大きくなります。
いち早く自分の心を守れる状態に戻さなければなりません。
その自分の心を守れる状態というのが「停止・計画モード」であり、リラックス状態です。
【2】「闘争・逃走モード」は悪循環を引き起こす
簡単にいうと、焦って、ドジをしやすい状態です。
退職できないジレンマ状態にあるときは、基本的には「闘争・逃走モード」にあります。現代の日本において、理性が必要とならない仕事はまずありません。ですから、ジレンマ状態では生産性が一気に下がります。
つまりは、ドジをして怒られ、怒られて緊張状態が高まり、生産性が低くなって、さらにドジをする、という悪循環が起こります。
ですから、自分の心を守るための第一ステップは、「闘争・逃走モード」から抜け出すこと。つまりはリラックスすることです。
【3】リラックスする方法
心理学的に、リラックスする方法で、いつでも実行できるものが3つあります。
1 深呼吸(1分間に4~6回)
2 身体の力を抜いていく
3 ポジティブな想像をする
心理学的には1分間に4~6回の深呼吸をすることで、リラックスモードに入れることがわかっています。1分間に4~6回というのは、1呼吸で10秒から15秒の呼吸です。5秒で吸って、5秒で吐くということです。実際にやってみると、かなりゆったりとした深呼吸であることが分かるはずです。このゆっくりとした呼吸を6回程度続けると、リラックス状態になりやすいのです。
その上で、「身体の力を抜いていく」も一緒に行いましょう。緊張状態にあるとき、身体にも無駄な力が入っています。その無駄な力を抜いていくのです。私の場合は、肩に無駄な力が入っていることが多いです。人によっては口に無駄な力が入ることが多い人や、首に無駄な力が入る人もいるでしょう。頭のてっぺんから、少しずつ意識を下におろしながら確認していきましょう。そして、無駄に力が入っているところがあれば、力を抜くようにします。これによって、リラックスしやすくなります。
最後に、ポジティブな想像をするようにしてください。自分にとって理想的な状態をイメージするのです。非現実的な空想でも構いません。このようなポジティブなイメージをすることでリラックス状態になることも、心理学的には分かっています。
上記の3つのことをすることで、リラックス状態になりやすくなります。
リラックス状態になれば、加害者の言動も冷静に吟味しやすくなります。つまり、加害行為によるダメージを減らすことがしやすくなります。
パワハラ行為を受けているとき、リラックス状態を保つことは、自分の心身を守るのに大切です。
いつでもリラックス状態でいられるように、意識をしてみてください。