パワハラを受けていると、大きなジレンマにぶち当たりますね。現状維持の先には、暗い未来しかみえない。そして、現状の外側はまったく見通しがつかない。
先が見えない不安があって、動けなるんですね。最初は、パワハラに対して何をすればいいのかも分からない状態です。どの方向を見回しても、しっかりとした道が見えない状態です。
ものすごく不安ですよね。
このような状況で、やるべきことが2つあります。今回は、それについてお話しします。
【1】人間は、重要なものだけを認識に上げる
人は、重要なものだけを認識に上げています。たとえば、私達はいつも、自分の鼻が自分の視界に入っています。意識すれば、鼻の頭が見えるはずです。
しかし、普段はまったく気づかないですよね。なぜでしょう?それは、脳が情報を振るい落としているからです。
重要なものだけで認識に上げるので、現状が辛ければ辛いほど現状の情報が認識に上がりやすくなります。加害者の言動が、どんどん認識に上がりやすくなったりするのも、この仕組みで説明ができます。(だからといって、対処ができるわけではないですが)
【2】重要でない情報は、振るい落とされる
一方で、重要でない情報は振るい落とされます。
その結果、現状が辛ければ辛いほど現状にフォーカスがあたり、現状の外側(辞めるなどの選択肢)が認識できなくなります。
まさに悪循環が起きるのです。
【3】悪循環を防ぐ方法
そこで大切となるのが、現状の外側の重要性を上げることとなります。”今の自分にとっては重要でないことを、重要なものだとする”ということです。
現状の自分に認識できている選択肢では解決ができないのですから、認識の幅を広げなければなりません。
そして、それは現状の自分にとっては重要ではないことのはずです。
だから、現状の外側の重要性を上げる必要があるのです。
【4】こなすゴールは立ててはいけない
先が見えないとき、私を含めて多くの人は、”こなす”ゴールを掲げてしまいます。パワハラを受けている人が最初に掲げるのは、”どうやったら耐えられるか”です。とりあえず、辛い状態から脱出することを目指してしまうんですね。
ただ、”こなす”ゴールには2つの問題があります。1つは、それは現状の内側のゴールだということ。もう1つは、そのゴールではやる気が起きないということです。
それに向かうモチベーションが湧かないはずなんです。たとえば、”パワハラに耐える”というゴールを達成しても、結局パワハラを受けていることには変わりないわけですから。そんなゴールに向かって、やる気を起こせますか?
本当にパワハラに耐えたいのかと言えば、本心ではそうではないはずですよね。本心を言えば、すぐにでも会社を辞めたいし、加害者を解雇に追い込みたいのかもしれない。
それなら、それがゴールでいいんです。
そういう本心に基づいたゴールは自然と現状の外側のゴールになるはずです。
言い換えると、達成方法が皆目見当がつかないようなゴールです。
【5】方法に気づくのは、後
トイストーリー2という映画をご存じですか?あれはとても人間心理がうまく描かれている映画なんです。
バズとかが、さらわれたウッディを助けに向かう途中にさまざまな困難が出てくるんです。たとえば、交通量の多い道路を渡るなどですね。
交通量の多い道路を、バズ達は渡らないといけない。そのとき、周囲にロードコーン(カラーコーン)があることに気づくんですね。
そして、バズ達はそれをかぶって、道路を渡ります。
これが人間なんです。方法に気づくのは、後なんです。達成方法は、その時々に見えてきます。
【6】本心に従ったゴール設定
先が見えない不安があるとき、私達は今ある困難にフォーカスを当てようとします。そして、それを乗り越えようとしてしまうんですね。
でも、それが心から望むような目標やゴールではない。だから、動けない。
一方で、心から望むゴールは方法が分からないから、動けない。
じゃあ、先が見えないとき、どうすればいいのか。
結論を言えば、自分の本心に従って、どんな内容のゴールでもいいからゴール設定をする。(加害者に社会的制裁を与えるでもOK)そして、達成方法がまったくわからない状態でもいいので、とりあえず行動を始める。
【7】障害ではなく、ゴールに焦点を当てる
ゴールに向かう過程では、いろいろな障害が出てきます。そもそもが達成方法がわからないゴールを目指しているのですから当然ですね。障害が見つかったというのは、ある意味前進とも言えます。
達成方法が分からないようなゴールを目指していると、必ず障害が出てくるものです。たとえば、現状の私には、自分の電子書籍を100万部売る方法は皆目見当がつきません。影響力の壁のようなものも感じます。
障害が出てきたときこそ大切なことは、ゴールを意識することです。現状で障害を克服する方法は認識できていないのですから、障害に注目しても解決策は出てこない。だから、ゴールにフォーカスを当て続ける。
【8】言うは易し、行うは難し
ゴールにフォーカスを当て続けるというのは、言うは易し行うは難しの典型です。人間の性質上、障害に注目してしまうものですから。
だからこそ、「ゴールを思い出そう」、「ゴールに意識を向けよう」、となるわけです。たとえば、先ほどの電子書籍を100万部売るというゴールにフォーカスを当ててみると、たとえば電子書籍を1000冊出せば、それぐらいは簡単に行きそうだとは思いますね。どれかが当たるだろうと思うし、1つ当たれば他の書籍も買ってくれるでしょうから。実際は100冊ぐらいでよいと思いますが、大切なことは具体的な方法論ではないですね。
障害ではなくて、ゴールに意識を向けて、その実現方法を考えてみることで、初めて思いつくアイデアがあるということが大切です。ゴールを意識することで、方法が見えてくるのです。
【9】やるべき2つのこと。
つまり、パワハラで辛いとき、あなたがやるべきことは2つです。
1 自分が心から望むゴールを設定する。
2 そのゴールをずっと念頭において、行動を起こし続ける。
これは言い換えると、辛い状況に焦点を当てずに過ごすということです。
簡単なことではないです。
【10】現状に焦点を当てても解決しない
辛い状況に焦点を当て続けて、解決するならそれでいいです。でも、パワハラにおいてはそれはない。絶対にありません。
だから、ゴールを目指し続けましょう。